怪物のような巨木や、葉に手が届かないほど背の高い木、上へ上へと伸びるヤシなど、これまでは目立つ木々の名前を探してきましたが、今回は、余り目立たないながら、程よい大きさで見た目の良い木です。
日本語でハンサムというと人間の男性だけですが、こちらでは人間以外でも、気が利いていて見た目が良いものに使ってあるのに出会います。今回の木は、その形容詞にふさわしいと思います。
この木には、特に気に入っている特徴があるのですが、それは後ほど。
まず、典型的な姿。横に広がらず、縦に伸びる木です。
2014年3月11日 Moody St. Cypress, CA |
実は、この木は私が住むアパートの敷地内に沢山植えてあります。この木の存在に気付き、名前をつきとめ、次第に馴染みになってくると、あちこちでよく目に止まるようになりました。あまり大きくない道の街路樹として、ごく普通に植えられている木だと思います。
この木の名前を調べるのに使ったのは、カリフォルニア州政府が支援している Urban Tree Key (都会の木検索)というウェブサイトです(UFEI からもリンクがついています)。
まず、そのUrban Tree Key のサイトの手順に従って、葉の特徴で検索します。
2014年3月11日 Moody St. Cypress, CA |
単葉 (simple) → 対生 (opposite) → 全縁 (not lobed)。
たったこれだけで何種類かの候補が挙がり、その中から UFEI の助けを借りて、Brisbane Box (Lophostemon confertus)と決定。
学名: Lophostemon confertus(ロフォステモン コンフェルツス)
実がカプセル状の Lophostemon 属の植物の意-私の解釈です、ここだけでしか通用しません)
英語名: Brisbane Box
日本語名: たぶん、なし
Briabane (ブリズベン)は、オーストラリア東岸の都市の名です。原産地はその辺のようです。
干ばつによく耐え、スモッグに強く、病気になりにくいとのことで、温暖な気候の都市の街路樹としてポピュラーらしいです。
白い花が咲くそうですが、その時期はどうも逃したようです。来年は1月ころから気をつけて見ていましょう。
果実は、カプセル状で、ユーカリに似ています。実際、ユーカリと同じフトモモ科に属します。
また、樹皮がむけて剥がれ落ちるのも、同じくユーカリと共通です。
果実の写真2枚です。
2014年2月11日 Orange Ave. Cypress, CA |
2014年3月11日 Moody St. Cypress, CA |
樹皮の様子。
灰色のガサガサした古い樹皮は自然に剥げ落ち、下から、目の細かいサンドペーパーのような赤茶色の肌があらわれます。
この赤い皮も一部が剥がれると、写真はありませんが、下から薄緑色の肌がのぞきます。雨が降った後に、そうなっているのを見たのですが写真を撮れませんでした。残念。
2014年3月13日 Gilbert St. Fullerton, CA |
2014年3月13日 Gilbert St. Fullerton, CA |
この木に良い角度で陽があたると、枝が赤く輝いて見えます(私がひそかに気に入っている特徴です)。
一番最初の写真のように、この木は葉が密生していないので隙間から枝がのぞいています。この枝は若々しい赤い色をしていて、朝夕、低い角度で陽があたると、光が木の奥まで届き、枝が輝くのです。常緑樹の葉の緑色とのコントラストで、枝の赤はいっそう引き立ちます。
写真には、なかなかうまく赤い色が写りませんが、下の写真は
ちょっとだけ、感じが出ていると思います。本当はもっとずっときれいです。
2014年2月13日 Orange Ave. Cypress, CA |
お近くにこの木がありましたら、ぜひ、よく見てやってください。でも運転中は脇見しないように。
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