2014年4月27日

地元原産の木、 カリフォルニア シカモアの話


前回のシカモアの投稿に続き、
カリフォルニアの自生種であるカリフォルニア シカモア について、さらに、いろいろご紹介します。

自生種であるということは、あたりまえですが、この土地が今の姿になるずっと前から生えていたということです。でも、この南カリフォルニアが昔どんな景色だったのか、日本で生まれ育った私には想像するのもなかなか困難です。

昨日、Santiago Oaks Regional Park (サンチャゴ オークス 公園)という比較的自然の状態を保護してある広大なエリアの、そのごく一部をハイキングしてきました。それと合わせて、後で紹介するネットの記事とで、昔の姿を覗いてみようと思います。



その前に、下の写真は、都会に生きる現代のカリフォルニア シカモアです。駐車場の木として目的に合うように形が整えられ、また世話されている木の形をしています。
幹が二股に別れてます。こういった予定外の枝ぶりになってしまうのが、この木の持ち味でもあるようです。
2014年4月24日 Katella Ave. Cypress, CA



1. Santiago Oaks Regional Park (サンチャゴ オークス 公園)というところで、水辺に自生するカリフォルニア シカモアを見てきた



下の写真は、公園の中を流れるSantiago Creek(サンチャゴ クリーク)という自然の水路の岸辺に沿って自生しているカリフォルニア シカモアです。

写真右手が下がって、水路です
2014年4月26日 Santiago Oaks Regional Park, Orange, CA


上へ上へと伸びています。都会の木とは見かけが違います。
2014年4月26日 Santiago Oaks Regional Park, Orange, CA



大木の周辺には、中小の木が群生していました。
2014年4月26日 Santiago Oaks Regional Park, Orange, CA



この葉の形には、すっかり馴染みました。



2014年4月26日 Santiago Oaks Regional Park, Orange, CA





果実はほとんど付いていませんでした。都会の木とは違うのかしら。やっと写真が撮れる高さで見つけたのがこれ。4個つながっています。


2014年4月26日 Santiago Oaks Regional Park, Orange, CA




カリフォルニア シカモア は riparian と説明されています。水辺に生える植物という意味です。雨の少ない南カリフォルニアでも、川は幾筋もあり、カリフォルニア シカモアはその川岸に自生します。

川は、かつては、植物が豊かに育ち、昆虫や魚や鳥や小動物を育み、それを捕食する大型の鳥や動物を引き寄せました。過去形なのは、今や、ほとんどコンクリートで塗り固められて生態系を支えられなくなってしまっているからです。

そんな中で、上記サンチャゴ クリークとその周辺は、自然の形を多少ともとどめているところです。公園は一般の人がアクセスできるように小径などがあり、整備されています。


下の写真は、丘の上から、低いクリーク周辺の茂みを見たところ。シカモアの白い枝が目立っているあたりが水辺。
シカモア、樫の木、松、ユーカリ等々の大木と、やぶを形成する低木がぎっしりでした。ユーカリのような外来種はともかくとして、その昔もこんなに緑が豊かだったのかしら。
2014年4月26日 Santiago Oaks Regional Park, Orange, CA



2.ネットで、カリフォルニア シカモアの昔の話が見つかった


KCET(大雑把に、日本のNHKに近いもの)のサイトに、L.A. に関わりのある植物
の歴史の記事があります。以前、ワシントンヤシの記事を紹介しましたが、シカモアもありました。

The Sycamores of Southern California: A Brief History

関連記事

2014年4月13日  プラタナスの仲間、カリフォルニア シカモア(California Sycamore)と ロンドン プレーン ツリー (London Plane Tree)


2014年5月3日 まだプラタナスの仲間、シカモアの続き




2014年4月21日

電車に乗ってロサンゼルスに行って、ダウンタウンを歩き回ってきました。



今回は樹木ウォッチングではありません。

4月14日月曜日、ロサンゼルスの日本領事館へ在留証明もらいに行く用事があったので、ついでに L.A. ダウンタウン観光をしてきました。

“美味しいもの食べさせるから一緒に行かない?” と春休み中の娘を誘ったら “オッケー!” と一緒に来てくれました。

何を隠そう、私は運転が苦手です。車の運転は本当に神経を消耗してしまいます。それでも日々の仕事や買い物などを車なしで過ごすわけにはゆかないので何とか運転していますが、フリーウェーに限っては運転しないと決めて心の平和を保っているのです。

21歳の娘は私に似たのか、なかなかフリーウェーの運転に手を出さないでいます。なので、L.A.にはもちろん電車で行きました。


1.電車で L.A.へ、そして領事館へ


朝7時半に家を出ました。

アナハイムの電車の駅です。ここまでは車です。
家から一番近い駅ではないのですが、駐車スペースが広いのでここにしています。

左手の、Washingtonia robusta(メキシカン ファン パーム)が茂っているところが駅(その後ろの巨大ビルディングは駅じゃないです)。右手に見えているのがエンゼル スタジアム。野球場なので広大な駐車施設があるのです。
Google street view, Anaheim station





写真はすべて、グーグルのストリートビューからのスクリーンショットです。楽しんでいるときに写真をとるのはいやなので。Google の写真だけでどのくらいのことが書けるか、トライアルです。

さて、電車の系統などややこしい説明は抜きにして、メトロリンクの小ぎれいな電車に乗り、 L.A. のユニオンステーションに着きました。所要時間は、よく覚えていないのですが30分以上1時間以下、でしょう多分。

ユニオンステーション内部は古い様式のなかなか雰囲気のある造りになっているのですが、今回は工事中で板で囲ってあるところが多く、よく見えませんでした。観光シーズンを前に改修しているのかしら。

慣れないので方向が分からなくなりマゴマゴした以外は、何の問題もなく駅の外に立ちました。

写真正面に写っている駅舎を出て、W. robusta の間を歩き、道路を渡ると、写真の左手にダウンタウン循環バス‐DASHの停留所がありました。
Google Street view, Los Angeles Union Station



まず、B系統のDASHに乗って、Grand Avenue と 4th Street の角まで行きました。そこに日本領事館の入っているビルがあるのです。用事は難なく終わり、まだ10時ぐらいだったと思います。

これから歩きに歩き回りましたよ。ユニオンステーションに戻ったのが5時ちょっと過ぎだったので、7時間、食事以外はひたすらウロウロ、キョロキョロ過ごしたことになります。


2.まず、訪れたところをざっと地図で紹介です。




①  日本領事館
  グランドセントラル市場
 黄色で囲ったエリアをウロウロ
 青いルートを歩いて
③ L.A. 市庁舎
 青いルートを歩いて
④ オルベラ ストリート
⑤ ユニオンステーション


出発地点の領事館の入っているビルは、 “バンカーヒル” と呼ばれる丘の高いところに位置しています。ビルが面するGrand Avenueの上、つまり北西側は近代的な高層ビルが立ち並び、大都市の美しさが際立っています。今回は、このきれいなエリアで主に時間を過ごしました。

領事館の入っているビル周辺は、複数のビルが道路を介さずに繋がって、カリフォルニアプラザという空間を作っています。丘の地形を生かした立体的な造りの広場に人工の池や野外ステージ、椅子やテーブルが配され、文字通り都会のオアシスになっています。

Grand Avenue の下、つまり南東側は急傾斜で低くなっており、その先に昔栄えた L.A. の町が広がっています。危険なエリアもあります。


3.グランドセントラル市場に下って食糧調達。カリフォルニアプラザに戻って優雅に食す。


領事館のビルを出てカリフォルニアプラザに立つと、その一角に丘を下る長い階段が見つかります。それをトコトコと下って、Hill Streetに出ます。

ちなみに、この階段の横には、Angeles Flight(天使の階段)と名づけられた電車路線があり 実際に電車が運行しているようですが、行ったときにはお休みでした。

下の写真は、Hill Street 側から見上げた高層ビル群とAngeles Flight。線路の左横に階段がちょっと見えてます。ここを通って私たちは下りてきました。
Google street view, California Plaza and Angeles Flight,   Hill St. Los Angeles, CA



階段を降りて、Hill Street の対岸へ渡ると正面が Grand Central Market(グランド セントラル マーケット、大中央市場)。その名とは裏腹に、中は屋台風の店が並んでいるような感じ。メキシコ料理、アジアっぽい料理、バーベキュー、肉屋、八百屋など、食事する場所もあります。昔は本当に、町の人にとって大中央市場だったのかも。
Google street view, Grand Central Market and Angeles Flight,   Hill St. Los Angeles, CA













この市場で、輸入チーズを売っている店がありました。ちょっとした料理もあったので、ポテトにチーズをかけてその場で焼いたアツアツを買いました。マンチェゴというチーズで、これは、また行きたいほど美味しかったです。

そのポテトチーズを持って、また階段を上ってカリフォルニア プラザに戻り、さらにそこにあった Famima で飲み物を買って、超モダンな建築と広場を見ながら優雅なピクニックをしました。

Famima は、今調べたら、日本のファミリーマートが持っているチェーンストアーですって。)



4.まるで、モダンアートの展示場のようなビジネス街をウロウロ。

上の地図の黄色で囲ったエリアには、数々の屋外オブジェや彫刻、また建物の中にある公共エリアにも彫刻や噴水などがありました。さらに、建物そのものがモダンアートのようなディズニー コンサート ホールも Grand Avenue 上にあり、都会の芸術散策をしているようでした。

下の写真は、カリフォルニアプラザをGrand Avenue の方から見たところ。ここから、左の方へ通路が続いています。地形を利用して高低をつけた立体的な造りになっています。写真の中央奥の先はGrand Central 市場の方です。右手奥が日本領事館が入っているビル。

California Plaza Google street view, Grand Ave. Los Angeles, CA



上の写真は、Google ストリートビューで道路側からちょっと覗いたところ。ここがカリフォルニアプラザの西の端です。
Google のカメラはプラザの中に入らなかったようですが、もちろん、私たちは中のプラザを歩いて移動しました。水と植栽がふんだんで心地よい場所です。




上の写真の場所から、東に数分歩いたところ。また、Grand Avenue からカリフォルニアプラザを覗き見です。
建物は、Museum of Contemporary Art, Los Angeles (ロサンゼルス 現代美術館)。飛行機の残骸を繋いだような作品が屋外に展示されているのがチラッと写っています。

Museum of Contemporary Art, Los Angeles Google Street View, Grand Ave. Los Angeles



さらに歩いてゆくと、美術館の隣に Colburn School という アートスクールがありました。いきなりドアがあり、ちゃんと開くので遠慮なく入ったホールには、アート作品がいくつか展示されていました。

そのホールを通り抜けると、Grand Avenue の通りに出ます。斜め前方に、建物そのものがアートのようなディズニー コンサート ホールが見えました。

コンサートホールは左手、Colburn Schoolは、右手です。

Colburn School and Disney Concert Hall Google Street View, Grand Ave. Los Angeles



下は、Googleのカメラが反対側からコンサート ホールを写しているところ。
左手に、カリフォルニアプラザの高層ビルが見え、Grand Avenueを挟んで、次の目標の茶色いビルが見えます。
Google street view  !st Street and Grand Ave, Los Angeles, CA



この辺りでこんなに美術作品に出合うなんて予想していた訳ではないのですが、図らずもこのエリアはとても芸術的だったのです。

Colburn School は、後で調べると、音楽・ダンス・演劇の学校とのこと。


さて、今度は Grand Avenue を横切って、道の反対側にわたり上の写真の茶色いビルの方に向かいました。ウェルス ファーゴ センターです。

ここも複数のビルが集まって広場になっています。屋外オブジェが中央奥に見えます。他にもあります。

Wells Fargo Center Google street view Grand Ave. Los Angeles, CA




このウェルス ファーゴ センターは、ビルの中にも広々とした公共スペースがありました。

小さな噴水と彫刻を組み合わせた展示が何か所も設置してあります。雰囲気づくりの飾りレベルじゃなくて、本気の作品だと思います。
透明の天井からは、外光が注ぐようになっており、キング パームがきれいに育っていました。



(だんだん、写真を貼るのが面倒になってきました。とばしていきます。)


下の写真のように、ビルとビルを繋ぐ橋があるので、道路を渡らずに広い範囲を見て回ることができました。
右手の赤いものもアート作品。
Google street view South Flower St. Los Angeles, CA


すぐ近くにある、LA中央図書館にも行きました。古い建物そのものが一見の価値ありです。ストリートビューでうまく見えないので、写真は無しです

 “Genealogy(系図学?)” という表示がある部屋があったので入ってみました。古い電話帳や名簿などがぎっしりと並んでいました。どんな人が調べに来るのかしら。



さてさて、これで午後1時になりました。そろそろユニオン ステーションに歩いて戻ることにし、途中、駅の横にあるオルベラ ストリートで食事をするというプランをたてました。



5.駅方向へ歩く。途中、L.A. 市庁舎見物

上の地図の青いラインのように歩きました。ビジネス街を抜けると、官庁街になります。裁判所関係が多かった気がしますが、よく見ていません。そのうち市庁舎が見えてきました。古い建物です。


L.A. City Hall    Google Street View   1st St. Los Angeles, 




一枚だけ、私が撮った写真。

市庁舎の前の広場のファイカスの大木です。後ろにうっすらと白く写っているのが市庁舎です。木が大きい上に多すぎて、うまく建物の写真が撮れません。古い建物には、大木がつきものなのでしょう。

Ficus macrophylla かなと思いますが、調べていません。気根が一本垂れ下がっているのが見えますか。





Main Street の方に回ると、路上に地元テレビ局の中継車が何台も止まっていました。

中に入ってみることにしました。

セキュリティ チェックを通って名札のステッカーをもらい、観光用に3階と27階に行っていいと説明を受け、あとは勝手に行動できました。

27階には展望バルコニーがありました。ささやかなものです。3階は絵の展示があると入り口で案内がありましたが、この日は展示物入れ替えのため取り払われていました。でも、それよりも、3階には立派な大理石の柱が何本もあり印象深かったです。

このフロアには広い出入口が付いていました。ということは、3階は市庁舎のエントランスホールなのだ、とやっと気が付きました。外は広いテラス、階段、そしてさっきファイカスの木を見た庭へと続いていました。なにやらテラスでマイクロフォンを設置している人がいて、これから市長か誰かの重大発表があるのかも。

入り口の警備の人が、私たちがあんまりキョロキョロしているので、隅っこの方を指さして、あそこにロサンゼルスオリンピックの時の聖火のトーチがあるよと教えてくれました。確かにありました。

ここから外には出てもいいけど戻っては来られないよ、他の階に行ってもいいけど見えるのはドアだけよ、なんて言われたのでこれで市庁舎見物は終わりです。


Main Street側の、入ってきたところから出ました。




6.更に駅方向へ歩く、オルベラ ストリートで食事。


市庁舎を出て、Main Street を さらに西へ歩いて Olvera Street (オルベラ ストリート) へ。3時半ごろです。

大きな広場があって明るい音楽が聞こえ、観光客がたむろしてました。その広場から小さな通りが伸びていて、土産物屋とレストランがぎっしりと並んでいました。

ここ一帯は、スペイン人の入植者が造ったダウンタウン最古の場所なのだそうです。今ではすっかりメキシコ風になってるように見えますが。

お店を見て回ったあと、数あるレストランから散々迷って一つ選んで入りました。

ハッピー アワー で、アルコールとおつまみが安かったので、マルガリータ と XXドスエキス)というビールを注文しました。電車で来てますから、アルコールOK。

食事はとても美味しかったし、お店の人も感じ良かったです。他のレストランも良いのか、ここが特別良いのかは分かりません。

この後、広場でベンチに腰掛け、ユニオン ステーションへ早足で向かう通勤者を、アイスキャンデーをかじりながら観察しました。これが、L.A. のビジネスマン/ウーマンか、なるほど、なるほど。





そして私たちも駅へ向い、L.A.を離れました。

アナハイム駅周辺は、野球のゲームがこれから始まるのか、赤いTシャツを着た人がたくさんいました。L.A.から帰ってくると、すべてが低くて広々して見えます。

家に着いたのは、午後7時5分。楽しかったし、良い運動でした。

何より、娘とこんな風に過ごせるのはもう長くないと思うと、本当に貴重な一日でした。




2014年4月13日

ブリズベン ボックス(Brisbane box)続き、地味に見所の多い木




ハンサムな常緑樹とご紹介した前回に続いて、二度目の投稿です。

上向きに伸びるスッキリした姿、陽があたると赤さが輝く幹、地味ですが見るのが楽しみな木です。
Brisbane box 2014年3月13日 Gilbert St. Fullerton, CA





今回、更なる見所をご紹介いたします。緑色の木肌と花です。




1.きれいな緑色の樹皮


樹皮は、外側の灰色のガサガサは常に剥落しており下の赤茶色の肌がのぞいています。





でも時に、その赤茶色の樹皮も剥けていることがあるのです。

4月1日の朝、雨が降った翌朝、家の近くを散歩したらきれいに緑色の肌が出ている木がありました。
Brisbane box 2014年4月1日 Juanita St. Cypress, CA






同上





雨と樹皮が剥がれるのと関係があるのかもしれません。

同上







Brisbane box 2014年4月1日 Juanita St. Cypress, CA


2. 花が咲いていました。


4月12日、となりのコミュニティ カレッジで花の咲いている木を見つけました。


ごく若い木。何が良いかというと、目の高さに見たいものが見えること。植えたばかりかも。
4月12日 Cypress College, Cypress, CA



目立たない小さな花です。ピンボケですが、蜂が写っていますよ。
Brisbane box 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA




新しい葉も沢山出ています。
Brisbane box 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA


蕾、花、新しい実、古い実がいっしょについています。
Brisbane box 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA



古い果実。いつ落ちるのかしら。大きい木ではもう一回り古い実もついていましたよ。どうなっているのでしょう。









もっと沢山花が咲きそうです。
Brisbane box 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA



ブリズベン ボックスの好きな人が増えることを願って、以上です。



関連記事:



プラタナスの仲間、カリフォルニア シカモア(California Sycamore)と ロンドン プレーン ツリー (London Plane Tree)



ずっと、常緑樹や、半常緑樹が続いていましたが、やっと落葉樹登場です。当地カリフォルニア原産 California Sycamore(カリフォルニア シカモア)と、London Plane Tree(ロンドン プレーン ツリー)。とてもよく似ていています。今の私には、離れて見たのでは違いが分かりません。


今はもう四月半ば。晴れた日は夏のような強い日差しです。長い間この仲間の木は、裸の白い幹を明るい日差しにさらしていましたが、やっと葉が出揃いました。まだまだこれから葉は大きくなってゆくと思いますが、待ちきれずレポートです。




下の写真は、2月初めのものです。
葉が落ちているときの白い幹だけの姿も愛でられています。
Sycamore 2014年2月3日 Conquista Ave. Lakewood, CA



同じところの4月。
Sycamore 2014年4月11日 Conquista Ave. Lakewood, CA


実は、上記の写真は種類がどちらかわからないまま写真を撮ってます。また、夏になったら見に行ってみます。(2015年8月19日追記: ロンドン プレーン ツリーです)



Platanus(スズカケノキ属)の木は北半球に広く分布しており、総称として、日本ではプラタナス、アメリカではSycamore (シカモア)ヨーロッパでは Plane tree(プレーン ツリー)と呼ぶことが多いらしいです。

日本語でプラタナスと聞くと、私の記憶では、大きな落ち葉が風に吹き寄せられガサガサと乾いた古新聞のように重なっていた光景が思い出されます。


この属全体の共通した特徴を箇条書きにすると、
  落葉樹
  葉は大きい カエデのような切れこみが入る
  幹は表皮が剥がれ落ちる
  雌花と雄花が一本の木に付く
  球形の果実が枝からぶら下がる




1. まず、地元原産種 カリフォルニア シカモア


学名: Platanus racemosa (プラタヌス ラチェモーザ)
英語名: California Sycamore 
日本語名: カリフォルニアスズカケノキ


近所のコミュニティ カレッジ の敷地内の大木。幹が大きく傾いています。
California Sycamore 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA







California Sycamore 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA





手前のごく若い木は、やっと葉がでたところ。後ろの二本も同じ種類。
California Sycamore 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA



葉と果実の写真。
California Sycamore 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA


葉は、単葉で三または五裂に切れ込みが入っています。種が集まって出来た球形の果実は、つながってぶら下がっています。この歪んだ串団子のように繋がった団子の数が、カリフォルニア シカモアは他の種類より多いそうです。写真では普通に5連が見えます。後で述べる ロンドン プレーン ツリー では1ないし2連なので、大きな違いでしょう。
California Sycamore 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA









California Sycamore 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA







同上




葉は細かい白い毛に覆われていて、光沢のない感じがします。離れて木を見ると、白い幹と相まって全体が うっすらと白いものに包まれ、マットです。
 American Sweetgum (アメリカン スイートガム)という木があるのですが、シカモアと似ていて、始めは違いが分かりませんでした。でも葉が出揃った今になると、全体がつやつやした透明感があると感じます。それはまた別に書きます。




落ちていた葉です。












去年実った果実。ほぐれて、綿毛のような種がはみ出しています。
California Sycamore 2014年4月12日 Cypress College, Cypress, CA




幹。でこぼこしていますが、木肌はなめらか。




がさがさの表皮が剥落して、下のなめらかな肌がみえています。










上の方は滑らか。







2. もう一方の木、ロンドン プレーン ツリー


学名: Platanus × hispanica
 
    または、Platanus × acerifolia
    (交雑種を“×で表示するとのこと、詳細不明)  
英語名: London Plane Tree
日本語名: モミジバスズカケノキ

Platanus occidentalis と Platanus orientalis の自然交配種。原産地スペイン。



木の姿は、私には California Sycamore と同じに見えます。ごく古い木になれば違いがあるかも知れません。
London Plane Tree 2014年4月11日 Lambert Rd. Brea, CA




カリフォルニア シカモアと違うところは、葉と果実です。
葉の切れ込みが、カリフォルニア シカモアより浅く、
周りにゆるくギザギザがついています。




薄っすらと白い毛で覆われているところは同じに見えます。
三裂の葉が多くみられます。もっと大きくなると変わるのかしら。






果実は、1~2個がつながってぶら下がっている。




樹皮、果実は同じに見えます。





もっと季節が進むと、両種の違いがはっきりするかもしれません。

今のところ、種類が分からないときは一般的な総称である Sycamore(シカモア)と呼ぶことにします。




カリフォルニア シカモアについては、面白いことを見つけましたので続きます。自生種にはローカルのヒストリーとストーリーがあるのです。

でも、その前に他の木のことを先に書きます。



関連記事

2014年4月27日 プラタナスの仲間の木、 カリフォルニア シカモアの話


2014年5月3日  まだプラタナスの仲間、シカモアの続き