2016年11月19日

案外, 南カリフォルニアの秋を象徴する木, フロス シルク ツリー (日本語名トックリキワタ)



夏の終わりから秋。

南カリフォルニアでは、一年で最も厳しい季節かもしれません。

雨の無い長い季節と夏の炎暑を経て、体の中にはカラカラでヘロヘロな疲労感が募っているところに、それに追い打ちをかけるように内陸から乾燥した熱風(サンタアナの風という)が吹き込んで日中の気温が異様に上昇することが繰り返される日々。



そんなサンタアナの風がふく日に、満開のピンクの花をつけた木を車で通り過ぎたらどんな気がしますか。


こんなのとか、

2016年10月25日 Orangethorpe Ave. Fullerton CA




 こんなのとか。
2016年10月20日 Dale Ave. Anaheim CA

私は、“もうやめてよ” って言いたくなります。頭の奥の方に隠れていた夏の疲れが強く意識されるような感じ。


日本育ちなので “満開のピンクの花は春の花”  という刷り込みがあるせいかもしれませんが、さあ春用のホルモンを出せと言われるような気がするのです。そうじゃないでしょう、秋は枯れる季節でしょう。




そんな感じで、この花は長年目をそむけていましたが、ツリーウォッチャーになったからにはそうもいかないので、自分の余計な刷り込みは横に置いて、よく見てくることになりました。




その結果、タイトルに書いたように、この木は、案外南カリフォルニアの秋にぴったりの木かもしれないと思ったのですよ。以下の長いエントリーを読んでいただいて、共感して下さる人がいたらうれしいな。




存在感があるので花が咲くと目立ちますが、そんなにどこにでもある程多くはないのです。本数の少ない並木になっているか、あるいは広い敷地のあるところに1~2本植えてあるという感じです。数ヶ所でツリーウォッチング してきました。


見た中で、植えてある本数が一番多いのが、下の写真の Costco の並木でした。

2016年10月6日 Costco Way,  Cypress CA

ここは我が家の近所の Costco で、裏口の方にこの並木があります。駐車場に面しているので、近付いて回りをウロウロするのに好都合でした。





まず、名前

特徴があり過ぎるので、すぐに調べがつきました。

Malvaceae (アオイ科)、Ceiba(セイバ属)

原産:南アメリカの熱帯/亜熱帯の森
学名:Ceiba Speciosa (セイバ スピチオーザ)
英語名:Floss Silk Tree(フロス シルク ツリー)
日本語名:トックリキワタ





花が満開の木や、葉っぱだけの木、巨大な実が沢山ぶら下がっている木、花も葉も何もない木などいろいろです。
2016年10月6日 Costco Way Cypress CA


この木は、若いうちは花がつかないのだそうです。ということは、ここの並木は全体的に若い木なのかな。ここの Costco は確か10年くらい前にできたのですが、出来た当初かららこの並木があったかどうかは全く記憶にありません。もう少し年月が経ったらもっと華やかな並木になるのかもしれません。



大きな花です。測ってこなかったけど...


落ちていた花。五弁の花びら。




花が咲く場合は、熱帯の樹木によくあることとして花の前に葉をほぼ全て落とすのだそうです。

が、上の写真は葉っぱもついています。なかなか定式どおりにはならない。


薄いピンクの種類も。




開きかけで、先端だけくっ付いている。開いているのよりきれい。






花は、遠くから見ても華やかですが、近くで見てもきれいですよね。

でも、冒頭に書いた理由で、どうしても無駄に華やかなんて思ってしまいますが。
で、幹となると...



幹と全体の姿

とげとげに覆われています。





とげとげ。


もっとすごい、とげとげ。


Orangethorpe Ave. Fullerton CA




とげとげしていないのも。





色は、緑色ないし灰色。




写真ではハッキリしませんが、幹の根元近くが膨らんで、多少ともトックリ型になるのだそうです。


種から育てた木の方が膨らみが顕著に出る、とあちこちに書いてあったので、私の見た街路樹は挿し木育ちかな。



また、若い木ばかりを見ているので想像しにくいのですが、この木は、数十年経つとバオバブのような姿になるのだそうです。バオバブって見たことないけど...(バオバブの写真



下の写真の中の一番背の高い木を見てください。幹はトックリのようにあんまり膨らんではいないものの、全体の姿に何となくバオバブの風格が感じられませんか?(左端のは、フロス シルク ツリーではないです。)





果実


ほとんどの木には実が着いていませんでしたが(花が咲かないから実が無い?)、中にはこんな風に沢山ぶら下がっている木もありました。



花の期間が長いので早く咲いた花から出来た実かな。それとも、前のシーズンの花から育った実かな。下の写真を見ると左下の実は、まだ小さくこれから大きくなりそうなので、今シーズンの花から出来た実だと思います。右側の実はもうちょっと大きくなった今年の実だよね、たぶんね。






下の写真、花が落ちてガクだけ残っているのを見てください。メシベが糸の様に残って垂れているでしょう。



そして、下の写真の実。ちゃんとメシベの名残がくっついています。



ダメ押しの拡大




古い実が落ちてないか探しました。掃除が入るのがデフォルトの都会の森でも必ず何かが落ちている、というのは私が割と早い段階で学んだことです。

地面をよーく見てみると、いくつか見つかりましたよ。
これは踏まれて半つぶれながら、丸ごと。





中は、もう空っぽのもあれば、




綿状のフワフワしたものが残っている実も。種はこの綿にくるまれて風に飛ぶのでしょう。






英語名の Floss Silk(“まゆ綿” のことだって)も、日本語名のトックリキワタ(徳利木綿)も、このフワフワを指しています。徳利は幹の形を指しているのだけど。



ちなみに、このフロス シルク ツリーと同じ属に、カポックという木があります。カポックはパンヤの木ともよばれ、実の中にできる綿様の繊維が詰め物に使われます。シルク フロス ツリーの実の繊維も、カポックよりは質が落ちるもののやはり詰め物になるそうです。(まるで、カポックのことをよく知っているような書き方をしていますが、本当はつい先日まで知らなかったことです)


それでも、我らがシルク フロス ツリーは、その目立つ花や、特徴のある幹や、全体の姿が好まれ、主に街路樹や観賞用の庭木になって、都会の森の構成員として働いています。


ところで、街路樹になったシルク フロス ツリーに実が沢山できて、それが熟して割れて、綿に包まれた種が風に飛ばされたら、そこらじゅうが綿だらけになるのではないかと思いますよね。でも見たことがありません。


想像ですが、たぶん実が熟する前に切り取ってしまうのじゃないかな、確信はないけど。Costco にはよく行くので、作業の現場に出くわすかもですね。




小葉が一点でつながっているので、掌状複葉。



この時期に葉が繁っているということは、花が咲かない若い木だということでしたよね。この葉はいったいいつ落ちるのでしょうね。


葉っぱについては、今のところこれだけ。






案外、南カリフォルニアの秋を象徴する木かも

さて、私にとって フロス シルク ツリーは、“見ただけで疲れるから見たくない木” からスタートして、どうなったのでしょう。

私がこの木の周りで人目を気にしながらうろうろ、立ったりしゃがんだりしたときは、ちょうど、サンタアナの風が吹きすさぶ熱暑の日にあたることが多く、独特のカリフォルニアの秋の厳しさに身をさらすことになったのです。


サンタアナの風が吹く日(サンタアナ コンディションという)は、一年中いつでも発生するものなのですが、なかでも悪名高いのは9月から10月にかけてです。(ウィキペディアの、カリフォルニア州の気候にサンタアナ風の記載があります。)


冒頭に書いたように、雨のない春と夏が過ぎた後の乾ききったところに吹き付ける乾燥した熱風は、本当に何にもいいことが無くてげんなりします。乾燥した強風のせいで空気は塵っぽくスカッと晴れずに重苦しく、とにかく気持ち良くない、悪意に満ちた風です。肩に力を入れ、目をしかめて悪意に抵抗しなくてはなりません。


そんななか、このシルク フロス ツリー のことをじっくり見たり考えたるする機会を得たら、だんだんと、この木はこの土地の秋にぴったりだと思うようになったのですよ。


トゲトゲまみれのどっしりとした幹、その幹の色は妙に生っぽい緑色、あまりにも派手な花、これ見よがしにぶら下がった実など、さりげなさのかけらもない、ふてぶてしい木です。これくらいふてぶてしいと、とサンタアナの熱風の中でも負けてないです。


まさに、カリフォルニアの秋の前半(暑い方)の代表。秋の後半はというと、まあ、カリフォルニアの緩やかな冬ですね。そのことは、またいつか。



秋にふさわしい木とはなんでしょう。もちろん人の主観なので正解があるような問いではないです。人それぞれに答えがちがうでしょう。その人が土地や季節をどう捉えるかによるし、また自分の情緒をどう表現したいかによるでしょう。

例えば、アメリカン スウィート ガム とか イチョウ のような、葉が美しく紅葉する木も色々ありますが、南カリフォルニアのきびしい秋にはかすんでしまいます。


カリフォルニア シカモア は、黄色っぽく枯れた葉がいい感じですが、この木には、四季をとおして健気に耐えている雰囲気があって、秋というよりもっと大きくカリフォルニアそのものを象徴する木のひとつに推したいところです。そういえば、カリフォルニア シカモアと同じく、この地の自生種であるカリフォルニア ファン パームにも健気に耐えている雰囲気があります。



というわけで、このシルク フロス ツリーをカリフォルニアの秋を象徴する木に推薦したいと思います。



あなたも、愛する土地のそれぞれの季節にふさわしい木を考えてみてはいかが?なかなか面白いですよ。




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このエントリーを書き始めてから一か月以上たってしまいました。実は、数日前から、日本の母の家に来ています。


外の雨音を聞きながら、“ 案外、南カリフォルニアの秋を象徴する木かも ” の後半部分を書いているところです。本当に日本は豊かな水の国ですね。枯葉さえ水気をたっぷり含んでいるように見えます。だんだんカリフォルニアの秋の実感が遠のいて行きます。





2016年9月4日

カナリー松 (カナリー アイランド パイン) --- 今まで見て見ぬふりをしてごめんなさい



カナリー松の街路樹。住宅街の小さい道路の両側にそびえ立っています。
2016年8月30日 Knoxville Ave, Lakewood CA




今まで、針葉樹の仲間の樹木は、つい見て見ないふりをしてきました。理由は多分、きれいな花のような分かりやすい特徴がないことや、私のようなぼんやりした素人をハッとさせるような心揺さぶるインパクトに欠けるからかなと思います。

とは言え、カリフォルニアの都会の森には、針葉樹の仲間は種類・数共に豊富に植えてあります。特に今回ついに取り上げるカナリー松は、冷静に考えてみれば、その植えてある数の多さが、まさに心揺さぶる驚きの多さなのです、本当に。

車を運転していれば、近くにも遠くにも、とにかく背の高い頭の尖った姿が目に入ります。ヤシの木並みの多さです。いえ、本数はヤシの仲間の方が多いでしょう。でも、空間に占めるボリュームで比較すれば、カナリー松の方が多いかもです。



これは、大きい通りの街路樹。Google のストリートビューをお借りします。道路の左右だけでなく中央分離帯にも植えてあります。
May 2016 Google Street View, Artesia Blvd, Cerritos CA



マツの仲間は、自生種はカリフォルニアといわず北米一帯、高山から低地の海辺まで、たくさん種類があります(カリフォルニアの自生のマツ属の種についてはウィキペディアのこれなどを参考に。)

ところが、人がつくる ”都会の森” となると、今回取り上げる、アフリカのモロッコ沖合の大西洋に浮かぶ小島にのみ自生するカナリー松(Canary Island Pine)が、その数において抜きん出ています。


下の写真は、遊園地 Knott's Berry Farm(ナッツ ベリー ファーム)の駐車場の周りを取り囲むカナリー松。この付近は、特にこの木の密度が高い気がします。
April 2018 Knott's Berry Farm, Buena Park CA



名前と特徴

Pinaceae(マツ科)
Pinus(マツ属)
学名:Pinus canariensis
英語名:Canary Island Pine (カナリー アイランド パイン)
日本語名:カナリー松、カナリア松
原産:カナリー諸島




木の形は、細長い円錐あるいは円柱形。
2014年1月 Cypress Community College, Cypress CA




若くて背の低い木は、もう少し裾の広い、いわゆるクリスマスツリー型。
2016年8月30日 Niagara Ave, Lakewood CA




高さは、15 ~ 25 メートルになるそうです。
寿命は、50 ~ 150 年くらい。
成長は早く、一年に1メートルくらい伸びるそう。




真ん中の幹から伸びる枝は、下がり気味。
2016年8月30日 Valley View St, Buena Park CA



葉は、三枚というか松葉なので三本、がひと束になっています。

日本の代表的な松である赤松とか黒松の松葉は二本(二葉、“によう”)なので、日本では松葉のデザインは二葉になっていますよね。

アメリカでは自生種も含め、なぜか三葉(さんよう)の松が多いのです。もっとも、松葉のデザインなんてこちらでは見たことないですが。


見にくくてすみません。枯葉の落ち葉ですが、確かに三葉でしょう?
2016年8月30日 Knoxville Ave, Lakewood CA



松葉は長いです。どれくらい長いかというと...測ってません、拾ってくればよかった...たぶん20cm かそれ以上あると思います。

そして、ここが特徴なのですが、松葉はピンとしてなくて、ちょっと垂れぎみです。
2016年8月30日 Knoxville Ave, Lakewood CA



この長くて少し垂れている松葉のせいで、全体的にモフモフした感じがすると思うのですが、いかがでしょう。
2016年8月30日 Knoxville Ave, Lakewood CA




幹は赤っぽい茶色で、こんな風に深くひび割れています。それから多くの幹で、根元近くが写真のように白っぽくなっているのです。何故かは、まだ知りません。
2016年8月30日 Niagara Ave, Lakewood CA



花と松かさは、あいにく季節が外れているのでいい写真がありません。

下は、落ちていたちょっと壊れた松かさです。
花のほうは、“Canary Island Pine Flower ” で画像検索で見ていただくといろいろ見られると思います。
2016年8月30日 Sybrandy Ave, Lakewood CA




本当にカナリー松なのか?

今までエントリーにしなかった理由として、冒頭にゴチャコチャ述べていますが、もちろんそれが本当なんですが、もう一つ漠然とした理由がありました。

つまり、こんなにあちこちに沢山ある木が、全部同じ種類なのかということです。

運転していて通り過ぎる松の木を、多分カナリー松だろうとは思いながらも、花とか、葉とか、松ぼっくりとか、ハッキリした見分け方のスタンダードを承知して眺めているわけでもなく、またそういう細かい見分けの指標は傍によってじっくり一本一本確認をしないと使えないのでできるわけもなく、なんとなく決着をつけないまま数年を過ごしていたというところです。

でも、しばらくその問題を熟慮した結果、自分にとってそれらしく見えれば、カナリー松だということに決めました。

理由は、場所が限られた都会の森であるからです。街路樹の情報を載せている各市のサイトには、カナリー松は常に植栽数の多い樹木の上位にランクされていますし、上位ランクの中によく似た形の他の種類があるわけでもありません。

カナリー松の以外の松の仲間では、イタリアン ストーン パインというのがもうちょっと下の方にランクされていますが、これは樹冠が丸い形をしているので、遠目にも間違うことはありません。

下の写真は、うちのベランダから見える、多分イタリアン ストーン パイン。カナリー松と姿が明らかに違うでしょう?
ただこの形の松は、似たのが他にもあるみたいなのでまだ確定できません。松ぼっくりが見つかって、その中に食べられる松の実が入っていたら本物。
2016年9月4日 Orange Ave Cypress CA



そんなこんなで、カナリー松の判定については、街路樹ウォッチャーとしての現実的判断は、“カナリー松のように見えればカナリー松とする” です。もちろん、数年間眺め続けて全体の雰囲気というトータルな指標を手に入れた上でのことです(自慢です)。

この木に愛着を感じるか?


私の勝手な思い込みなのですが、この細長い三角のカナリー松は、どうしても冬とか雪とか曇り空とかのイメージがくっ付いていました。

ここ南カリフォルニアはほとんどいつでも陽射しがきつくて眩しいのですが、そんな陽射しの下を、この松が街路樹として高く壁の様に続いている道を走ると、どうしてもそぐわない気がするのです。

私が冬や雪を連想するようになった元をたぐってみると、たぶん絵本とかテレビとかで育まれた、モミの木とかクリスマスツリーのような細長い三角形の樹木と、雪景色が繋がったイメージが出来上がっているからだと思います。

実際は、松の仲間は “陽樹” とされていて、つまり、鬱蒼と繁った暗い森では芽を出せず、他の木が育たないような荒地や山岳地、山火事の焼け跡など、陽当りだけは豊富な地面で芽を出しで育つのだそうです。また、気候も寒帯から熱帯にまで幅広く分布しているとのこと。


自分の認識の方を大いに変えなくてはならないのでした。実際のところ私は、自生の松が育つようなところに行ったことが無く、自分の経験から来る知識がまるで足りないのです。

松に限らずその他の針葉樹についても、同様に学ぶことがいっぱいありそうです。

そうしているうちに、このカナリー松にもっと愛着を感じるようになるかも知れません。それにしても、明日この木の街路樹の道路を走ったら、少しは違う気持ちがするかしら?


以上、カナリー アイランド パイン、カナリー松でした。






2016年5月23日

今年の都会の森は久しぶりに美しい。 そしてジャカランダが咲き誇っています。







随分ご無沙汰です。
色々あって(悪いことじゃないです)、ブログから心が離れていました。


まず、ジャカランダの並木の写真をご覧ください。
2016年5月7日 Wardlow Rd. Long Beach CA




2015~2016年にかけての冬は、待望の雨が、程ほどに降りました。本当は、エルニーニョによる大雨が期待されていたのですが、残念ながら少なくとも南カリフォルニアでは渇水が解消されるほどではなかったようです。

それでもツリーウォッチャーにとっては、この雨のおかげで久しぶりにほっとするような、みずみずしい春の木々を楽しみました。いえ、まだ楽しみ中です。

今年は、春を告げるナシの花が久しぶりにきれいでしたし、若芽を一杯に付けたシカモアがあんなに美しいことを、私は知りませんでした。そして、今はジャカランダが、緑の木立の中に青紫の雲のかたまりをつくって見事に咲き誇っています。

雨だけでなく、強い風を伴う冬の嵐も何度か吹き荒れました。おかげで、枝にくっ付いている枯葉や実や花がらがきれいに吹き飛ばされ、木々がなおさらにきれいに見えるのでしょう。



今回の話題はジャカランダ。 花が咲けば、こんな目覚ましい木はめったにないと思うのですが、ここ数年はどうもさえない感じが続いていました。百年来だか、五百年来だかの干ばつのせいです。

でも、今年は文句なしに見事にです。4月にはもう咲き始め、今は盛りは過ぎもう葉がだいぶ出て紫一色では無くなってきていますが、遠目にはまだまだ紫の雲がモクモクしているように見えます。




お馴染みエルドラド パークのジャカランダ。街路樹よりも伸び伸びと枝をひろげています。五月のはじめの写真なので、まだ葉がでていない。
2016年5月5日  El Dorado Park, Long Beach CA





名前のことなど


Bignoniaceae (ノウゼンカズラ科)
Jacaranda(キリモドキ属)
学名:   Jacaranda Mimosifolia
英語名:  Jacaranda
日本語名: ジャカランダ、キリモドキ
原産:   アルゼンチン北西部、ボリビア


ちょっと手抜きで、詳細の写真を撮ってません。
UFEI のリンクを見ていただくと花や葉や実の写真があります。



もう30年近く前のことですが、私が日本にいた頃には、この花は一度も見たことがないと思うのですが、今では比較的暖かいところには植えられているみたいですね。


葉が繁った姿もなかなか良い


花が終わる前から、葉が繁り始めます。

二回羽状の葉が繁ると、重なりの繰り返しが波のようなパターンになって、私は結構きれいだなと思うのです。
2014年8月2日 El Dorado Park, Long Beach CA



この葉の重なりを見ると、つい “ い~ら~か~の波と雲の波~ ” と、こいのぼり の歌が浮かんできます。

写真では分かりにくいですが、葉の間にチラホラと花が見えています。正に、葉っぱの波間に浮かぶ紫の花です。
2014年8月2日 El Dorado Park, Long Beach CA


上の写真の木は街路樹ではないので、あんまり切り詰められてなくて、葉の重なりがきれいに波打っています。

実は、今年の夏まで待てばもっと分かりやすい葉の波が見れるかなと思いましたが、待ち切れず、干ばつの年のもので済ませることにしました。

気力があったら、そのうちお見せしたいです。




良くないことをひとつ

ところで、この花が散り敷くと、紫のカーペットになって美しいのですが、それが自分の車の上とか芝生の上だと、毎日毎日片付けるのが苦になってくるようです。

それから、においがあまり美しくない。 落ちてクタっとなった花は、確かにちょっとオシッコのようなツンとしたにおいを発します。それ程強烈ではないけれど。

花の期間が結構長いので、この並木のある通りに住んでいる人は、花を愛でるだけでは済まないでしょうね。本当に、ジャカランダの並木の住宅街って普通に多いですよ。




以上、もっと、もっと書くことあるのですが、ブログ復帰直後の手抜きぎみの、ジャカランダのエントリーでした。




2016年1月17日

シーホークス楽しませてくれてありがとう!




今日は2015シーズンのディビジョン・ラウンドということで、シアトル・シーホークスにとってはプレーオフ二戦目。

結果は、カロライナ・パンサーズに負けました。後半頑張ったけど届かず、結果的に完敗ね。

私にとっては、フットボールシーズンの終わりです。これからパンサーズが勝ち進んでスーパーボールのチャンピオンになったら嬉しいかな。カーディナルズでもいいけど。

1シーズンだけだけど楽しませてくれてありがとう、シアトル・シーホークス。ここまで入れ込んで見てきたシーホークスなので、私としては選手たちのこれからが気になります。

マーション・リンチはどうなるのでしょう。もうすでに様々な憶測が流れていますが、もっと長いスパンで彼がこれからどんな人生をおくるのかとても興味があります。恵まれない生い立ちや、プロになってからのトラブルなど報じられていますが、彼には不器用でも善良で一途なハートを感じます。前途に幸あれと祈らずにいられません。

器用で賢いシャーマン、一時代を築いたヘッド・コーチのキャロルはもうかなりの年です。彼らはこれからどのように世界を切り開いてゆくのでしょう。

アメリカのプロフットボールがビジネスとして大成功している背景には、時代と共に変わり続ける強さがあるのだと思っています。ピート・キャロルを始めシーホークスの現プレーヤー達はその最先端にいるような気がします。初心者ファンの印象ですけどね。



ところで、最後に一つ言いたいことがあります。

カロライナ・パンサーズのユニフォームの色は大っ嫌い !!

あの、青と黒と真っ白の組み合わせは、まるでアマゾンの毒カエルみたいで、見るものに(少なくとも私に)警戒感というか、不快感を与えます。とにかく、愛着と正反対の感情がおこるのを禁じえません。

あんないろどりのユニフォームをいつも見ていたら、ファンや選手は、人間が意地悪くなるんじゃないの?

負けて悔しい、言いたい放題でした。





2016年1月11日

シアトル・シーホークスはプレイオフ1勝。イェーイ!!


じつは、昨年秋からアメリカンフットボールにうつつを抜かしていました。

今日のシアトル・シーホークス VS ミネソタ・バイキングス のゲームを観て、何かを書きたくなったので、思い付くままに書き連ねてみます。



過去に2回アメリカンフットボールについてエントリーを書きましたが、読んでいただくとお分かりのとおり、ただの素人の野次馬レベルのシアトル・シーホークスファンです。リンクから読んでもらえたらうれしいです。

2015年2月1日
フットボールは美しい!シアトル・シーホークスのファンでよかった

2014年2月2日
スーパーボール勝利、おめでとう!ピート・キャロルとシアトル・シーホークス


昨年夏以来、私の仕事が、日曜日がオープンになりました。そこで、あちこちツリーウォッチングに行こうと思っていたのに、私のやったことといったら、プロフットボールを観る為にテレビに貼りつくことでした。

自分で言うのもなんだけど、一点集中型のしつこい性格で、フットボールに関しては、ちょっと分かるようになったですよ。あ、つまり、素人野次馬レベルから初心者レベルくらいに大幅に向上したということです。

シーホークス のゲームを中心にテレビ観戦して、その間にルールやアメリカのプロフットボール(以下NFLと略す)そのものについて徐々に学んでいきました。ネットのおかげでどんとん賢くなってます。NFL関連の情報を求めて、随分英語のサイトを読んだり、ビデオを見たりしました。

ちょっと偉そうなことをいうと、私の場合、好奇心を満たしたい欲求を推し進める力の半分は英語がわかる嬉しさなのです。もしかしたら、英語で読んだり聞いたりしたことが分かるのが嬉しいという方が実は本命なのかも知れません。英語力の絶え間ない向上は私のサバイバルに関わっているし、何かが昨日よりも良くなっているって嬉しいでしょう。(でも小さい声で言うと、フットボールのポジションの説明は日本語のNFLのサイトに助けてもらいました。)


何が書きたいんだか、シーホークス VS バイキングス戦の話題になかなかたどり着きません。


とにかく、NFLには全部で 32 チームあって、それぞれが 16 試合をこなしてレギュラーシーズンが終わります。そのあと、まあ、成績上位 12 チームでプレーオフという勝ち抜き試合あって、それからチャンピオンを決めるスーパーボールという、国を挙げての行事にたどり着くことになります。仕組みからルールまで、あんまり詳しく説明したら、夜が明けるので、興味のある方はウィキペディアなり、上記、NFLサイトをごらんください。

で、素人の私でも気が付くのが、ゲーム数の少なさです。これは、これ以上やるのは身が持たない程激しいスポーツだということで間違いないと思います。

あるとき、フットボールプレーヤーの奥さんがテレビのトークショーに出ていて、夫はゲームの度に交通事故にあっているようなもんだと言ってました。生身の人間にはいくら鍛えても限度があるのね。

また、リチャード  シャーマン というシーホークスの選手が主張するのに、木曜日のゲームは止めて欲しい、体が回復するのに一週間いるとのこと。ほとんどのゲームは日曜日なのですが、放送の都合か何かで、多分、各チーム一回だけ木曜日にゲームが入るみたいです。

なるほど、フットボールの、体への負担というものが分かってきました。

試合中の怪我も頻発します。安全ために NFL のルールって色々あって、違反すると罰則が出ますが、それでも毎回、大なり小なり怪我人が出て、骨折なんかだとそのシーズンが全部出られなくなったりします。

で、レギュラーシーズンも終盤になって素人の私(しつこい)にも見えてきたのは、毎回本気を出して試合をしていたら身が持たないと言う現実です。というか、故障者を最小限にしつつ、なおかつプレーオフに辿り着き、そこから本気の試合をして勝ち抜くためには、時には負けることもプランの内なんです、たぶん。

メディアは、もちろんその時々の試合の解説やら予想やらを多彩な解説者に語らせるのですが、彼らは決して、このチームは次の試合では手抜きをするでしょうとは言いません。ちょっとにおわせる程度を言うことはありますが、本当にチョロっとで一瞬です。

そうこうして、私がレベルアップを繰り返しているうちに、プレーオフシーズンがやってきました。我がシーホークスも、ファンをハラハラさせて喜ばせ、プレーオフに参加です。



やっと、シーホークス VS バイキングス戦に話が辿り着きました。ここまで私の駄文を読んでくださる方は、ゲームの内容は知っていると想定して、そこのところは省きます。


この試合は、バイキングスの本拠地ミネアポリスで行われたのですが、何よりも話題にのぼったのはその寒さでした。屋根のないスタジアムの試合開始時の気温がマイナス6度、摂氏にすると氷点下20度くらいです。NFL史上でも記録的な寒さだそうです。

この気温は一週間も前から予想されていて、それでも試合中止とか、延期とかは全くチョイスに無く、いかに試合に影響するかしないかで持ちきりでした。

楽しみにしていた日曜日がやってきました。キックオフは現地時間で正午ごろ、カリフォルニアでは朝の10時。テレビでは9時から番組がはじまっていました。いかに寒いかがあれこれ紹介されましたが、ここに来て初めて、フィールドに施されている対策が明かされました。

広大なフィールドの芝の下には、パイプだかホースだかが縦横に張り巡らせてあって、温めた不凍液を還流させているため、フィールドは凍ってはおらず5℃ (これは摂氏)くらいになっているとのこと。そんな肝心の事、今まで一度も(私の感知範囲で)聞いてないですよお!まあ、メディアの仕事は盛り上げることで、誰もかれもグルなのねということをさらに確信した次第です。

ついでに、もう一つメディアが盛り上げたのが、マーション・リンチという、シーホークスのスター ランニングバックのこと。彼は11月末にスポーツヘルニアの手術を受けて以来、ずっと試合に出ていませんでした。順調に回復していると伝えられ、練習にも参加するようになり、当初はバイキング戦に出ると思わせるコーチのコメントがあったのですが、直前に出ないと発表がありました。理由は明言されなかったため様々な憶測が流れましたが、常識的に一番有りそうなことは、たぶん、いかに回復しているとはいえ、手術後一か月半しか経っていない選手に厳寒の中でプレーさせるリスク避けたのでしょう。チームは、リンチなしで勝てる可能性に賭けたのでしょう。そんなこと誰も言わなかったけれど。

業界は、ファンに、フットボールプレーヤーも生身の人間だと気付いてほしくないのに違いありません。



実際のゲームはというと、やはり寒さが影響したのか、好試合という訳にはいかなかったのですが、シーホークスの辛勝。

いやー、私はバイキングスがフィールドゴールをする直前に、もうフットボールにうつつを抜かすのは終わりにして、ツリーウォッチングのブログをしっかり書こうと思いましたよ。

それが、まさかのはずれで、リチャード・シャーマンは、地にひれ伏して動かなくなりました。この人、本当に表現豊かです。

試合のことなど、下のシーホークスの公式サイトに出ているビデオでご覧いただけます。

いくつか、私の好きなビデオをご紹介します。
まず、ヘッドコーチのピート・キャロルが、試合終了直後にロッカールームで選手に話しているところです。明るくて、軽くて、前向き。
Pete Carroll Wild Card Locker Room Speech

つぎは、文中に名前の出た、コーナーバックのリチャード・シャーマンの記者会見。この人は口が達者で突出した愛されるキャラクターです。試合直後なのにおしゃれ。
Richard Sherman Wild Card at Vikings Press Conference


ところで、このビデオで言っていること、私、ほとんど聞き取れるし分かりますよ。

語られている、あるいは書いてある英語が分かるようになるには、その内容に入れ込んでいるのが一番です。

これが言いたくて、こんな長文を書いてたのかも。自慢話でした。

来週は、対カロライナ・パンサーズです。楽しみ。