2014年8月24日

慎ましい線香花火か、毛の生えた電信柱か --- シュロ (windmill Palm, Trachycarpus fortunei)



日本でもよく見られる、シュロ(棕櫚)です。

日本の実家には、シュロが一本ありました。
手先が器用だった父は、葉でハエたたきを作ったり、幹の繊維質の皮をほぐして棕櫚縄を作って竹の垣根を結んだりしていました。ほかの多くのヤシ同様、いろいろと利用されてきた植物なのです。

まず写真をどうぞ。
電信柱と街灯を挟んで3本写っています。その向うはクイーンパーム。
August 8, 2014  Orangethorpe Ave. Buena Park, CA


学名:   Trachycarpus fortunei (トラキカルプス フォルツネイ)
英語名:  Windmill Palm
日本語名: シュロ
原産地: 中国


ウィキペディアでシュロを調べると、Trachycarpus fortunei は日本語ではワジュロを指します。また、それによく似た種類にトウジュロ(Trachycarpus wagnerianus)というのもあます。トウジュロをワジュロと同種とみなす説もあり、その場合は両方を、Trachycarpus fortunei と呼ぶとのことです。

ワジュロは掌状の葉の葉先が垂れ、トウジュロはピンとして垂れないということですが、私が見た範囲では分かりにくいので、ここでは今のところ、違いを気にせずに “シュロ” と呼ぶことにします。


1.一本立ちでは淋しい

街路樹ウォッチャーとして、いろいろなヤシを日々目にします。ヤシ達はそれぞれに存在感を放ちながら空の一角を占めているのですが、シュロが道路沿いに一本ずつ植えられている姿が目に入ると、私には、彼らがカリフォルニアの広い空の下で居心地悪そうに身をすぼめているように見えてしかたがありません。
August 7, 2014  Stanton Ave.  Buena Park, CA



写真で見れば Washingtonia robusta(メキシカン ファン パーム)に似た形をしていますが、大きさはずっと小ぶりです。さらに、写真のように足元がすぼまっている上に、幹が妙に真っ直ぐで、どうにも身をすくめて立っている印象を強めるのです。

ささやかな線香花火が連想されますし、また、その律儀なまでの真っ直ぐさは本当に電信柱に紛れてしまいそうです。





我らが ロブスタさんメキシカン ファン パーム のここだけの呼び名)とどれくらい違うかというと、下の写真を見てください。

手前と奥の二本のシュロに間に、同じく二本の若いロブスタさんが覗いています。
August 7, 2014  Stanton Ave.  Buena Park, CA


もっと近づいてみると、その大きさと共に、“やりたい放題” とでも表現するのがふさわしいような勢いが感じられます。


August 7, 2014  Stanton Ave.  Buena Park, CA



なぜ、このシュロを街路樹に選んだのでしょう。勝手に想像してみました。

まず、カリフォルニアの各市はロブスタさんに心からうんざりしていると思います。旺盛な成長ぶりで新しい葉や花や果実がふんだんに着き、それが枯れて垂れ下がります。放置すれば巨大な葉が風に吹かれて飛んで危険なので剪定しなくてはなりませんが、高所の作業にはかなりの費用が掛かることでしょう。

実際今は、市が管理していそうな街路樹にこのロブスタさんを新たに植えることはあまり無いと想像します。そして、その代替が、グアダルーペパーム(Guadalupe Palm)や クイーン パーム、そしてシュロなのだと思います。

その中でシュロは、値段が安くて供給が十分あるのは本当のようです。また、本来十分な水と肥料が必要なヤシなのですが、干ばつ耐性があります。つまり、安くて、あまり大きくならず、手間がかからない。

でも私は、シュロは、街路樹には淋しすぎて向かないという立場を堅持します(誰に対して?)。



下の写真は、私が見た中で一番立派なシュロ。隣のきれいなキング パームのおかげで淋しさが救われています。
August 7, 2014  Artesia Blvd, Buena Park, CA





2.庭園風に植えてあると、なかなか良い感じ

下の写真は、道路の中央分離帯のシュロです。足元がむき出しで無く、落ち着いて見えます。
August 7, 2014  Moody St. Cypress, CA





我が街サイプレス市は街路樹の植え方に特徴があって、同じ種類ばかりを植えずに、いろいろ取り混ぜ、庭のような雰囲気を出している道路がよくあるのです。趣味のいい担当者がいるのかしら。



さらに、中央分離帯の写真。奥の方は、2本くっついて植えてある。
August 7, 2014  Moody St. Cypress, CA


下の写真は、隣の コミュニティー カレッジ の中の庭園です。ファン パーム つまり 葉が掌状のヤシ3種類の寄せ植えがありました。

葉がモリモリとしていて、幹が複数出ているのは Mediterranean Fan Palm (Chamaerops humilis)、その右隣が シュロ、そして後ろにヒョロっとした幹が3本と樹冠がひとつ見えているのが ロブスタさん。
August 24, 2914  Cypress Community College, Cypress, CA


ついでですが、Mediteranean Fan Palm は日本語でチャメロプスと呼ばれていると思います。このヤシは、やはり干ばつ耐性に優れ、そのせいか、シュロと一緒に植えてあるのをよく見かけます。幹が数本だけだとシュロのように見えますが、幹の真っ直ぐさがシュロのように律儀ではありません。また、チャメロプスには葉柄にはっきりした長い棘があるので、近寄ることができれば更に確実に見分けられます。


3.その他写真

葉と果実です。黄色い花を見たのですが、写真を撮らないまま季節が過ぎました。
雄花の付く木と雌花の付く木が別々、つまり雌雄異株だそうです。
August 7, 2014  Stanton Ave.  Buena Park, CA


剪定した後の葉柄が突き出しているところ。葉を切らなければ枯れた葉が残って垂れ下がるのかも。
August 7, 2014  Stanton Ave.  Buena Park, CA

繊維質の樹皮
August 7, 2014  Stanton Ave.  Buena Park, CA





以上、シュロでした。





2014年8月20日

ダーウィンに "とても醜い" と言われたヤシ、Chilean Wine Palm(Jubaea chilensis}




久しぶりにヤシ科のエントリーです。


August 16, 2014  Ball Rd. Los Alamitos, CA



学名:  Jubaea chilensis(ユーバヤ チレンシス)
英語名: Chilean Wine Palm(チリアン ワインパーム)
日本語名: ?

チリ原産の巨大なヤシ。切り倒した幹から採れる甘い汁を発酵させて美味しいお酒が造れるため、一時絶滅の危機に瀕したものの、今は回復しつつあるそう。



見慣れないヤシを発見

ヤシマニア初心者として、南カリフォルニア沿岸部の大型のヤシにはもうだいぶ馴染んできました。ワシントンヤシ属の2種、フェニックス属の2種、クイーンパームとキングパーム、それらよりやや小さめのヤシ数種などです。これらは外に出れば必ず目に入るので、日毎に目が肥えてきてますよ。

そんな中、“これは、違う”  と感じるヤシがありました。
とにかく幹が太く、羽状の葉が、ボサボサと硬い感じについています。よく通る道なので、もっと前からあったはずなのですが、やっと見えるようになったのです。

存在に気が付いたのはちょっと前なのですが、夏の陽射しがきつくて車を止めて降りるのにも決心が必要で、やっと最近になって近寄って見てきました。


歩道に沿った緑地帯に5本植わっていて、これが一番背が高い個体で、他の4本が冒頭の写真です。


August 9, 2014  Ball Rd. Los Alamitos, CA





羽状の葉の付け根にトゲが無いのでフェニックスの仲間ではないし、クイーンパームのしなやかさとは全く違います。キングパームには葉の下にクラウンシャフトという長い鞘が付いていますが、これにはないです。

August 9, 2014  Ball Rd. Los Alamitos, CA




それに何より、この幹の太さと膨らみっぷり。


August 9, 2014  Ball Rd. Los Alamitos, CA




昔、日本の植物園の温室で見たことがある トックリヤシ という名前が浮かんできました。インパクトのある形とネーミングで、大抵の人が長く覚えているヤシだと思います。そのトックリヤシのことを調べてみたら、クラウンシャフトが付いているということなので、明らかにちがいます。



いつものように、頼りにしている UFEI のヤシ科のリストをつくづくながめて当てはまるヤシを探しました。そして行き着いたのが Chilean Wine Plam私が見たのは成長しきっていない若い個体ばかりだったので今回はちょっと確信レベルが低いですが、今のところこれにします。

イマイチ確信が持てない理由は、実はもう一つあります。
ヤシのことでよく参照させてもらっている Dave's Garden というウェブサイトに、Chilean wine palm の詳しい説明があるのですが、そこに、葉が落ちた後に幹に残るマークが “平らなひし形” をしていると書いてあるのです(ここには写真もたくさん載っています)。

でも、私が見てきたヤシの幹には、平行に輪状のすじが入っていました。


August 16, 2014  Ball Rd. Los Alamitos, CA


だから種類が違うとは言えないと思うのですが、わかりません。いずれ、植物園で名札の付いた個体に出合いたいです。






とにかく巨大なヤシ、そして幹には甘い汁が詰まってる

上に紹介したリンクで、写真をご覧ください。成長した個体では高さが30メートル、幹の直径は1メートルを超えるそうです。

以前のエントリーでご紹介した カリフォルニア ファン パーム(Washingtonia filifera)も幹の太さが特筆されるヤシですが、この チリのワインパームはそれよりもまだ太いですし、背はもっと高くなるのでトータルのボリュームで遙かに勝っています。

ただし背が伸びるのは遅く、フルサイズになるには100年くらいかかるとのこと。その代りに寿命は長くて自生地には数百年の個体が多数あったそうです。

自生地は南米のチリ。地中海性気候の沿岸部斜面の限られたエリアだけに群生していましたが、冒頭に書いたように、甘い樹液が採れるため、多くが切り倒され、個体数が激減してしまったのだそうです。今は保護され、また新しく植えられて数が回復しつつあり、絶滅危惧種ではないとのこと。


イギリスにある王立植物園、通称 Kew Gardens (キュー ガーデン)のウェブサイトにもこのヤシの記載があります。ここの温室には、室内に育つ植物としては最大とされるこのヤシが植わっていると書いてあります。

その Kew Gardens のサイトに樹液の採り方が説明してありました。まず、幹を根元から切り離し、斜面を利用して幹を傾けてから先端を切るのだそうです。つまり、樹液のためには百年の大木を切り倒さなくてはならないのです。樹液は、数か月かかって300リットルくらい流れ出し、これを発酵させてお酒を造ったり、あるいは、煮詰めてシロップにしたりしたのだそうです。


自生地では辛い目に遭ったヤシですが、その圧倒的な存在感が好まれて世界各地に広まっています。耐寒性に優れていることからヨーロッパ全土、オーストラリア、さらにカナダでも育っているとのこと。かえって、ヤシには珍しく高温多湿の気候を好まず、アメリカではハワイやフロリダで育たないそう。カリフォルニアは自生地と同じく地中海性気候なので好適地です。




ダーウィンも何か言いたくなるヤシ

進化論で知られるイギリスの科学者チャールズ ダーウィンは、ビーグル号での航海中、チリでこの 巨大なヤシを見て “very ugly tree(とても醜い木)” と表現したと、上記 Kew Gardens のページにかいてありました。

ウィキペディアによると、ビーグル号が南アメリカ西海岸を北上してガラパゴス諸島にたどり着いたのが1835年9月15日のことなので、チリを通ったのはその少し前のはず。ダーウィンが25~26才の頃です。このヤシが群生しているところを見たのでしょうか。



案外、あちこちに見つかるかもしれない

名前が判明してから、以前に撮った写真のことを思い出しました。

今年の3月に見たヤシです。この時は “分からないヤシ のフォルダに入れていました。

一般住宅の前庭に、3本。(公共施設ではないので、場所の詳細は書かないことにします。)


March 6, 2014 Artesia,  CA



今見てみると、Chilean Wine Palm に見えます。葉がほぼ真っ直なところは、バドミントンのシャトルコックと表現されるこのヤシの特徴に合致しています。
March 6, 2014 Artesia,  CA


何故このヤシを庭に植えたのでしょう。

チリの出身?百年後を夢見て?それともある程度育てて売るため? 実際、このヤシはかなりの高価で買い取られるのだそうです。


もう一か所、よく買い物に行くスーパーマーケットの、道を挟んだ向かい側に、見つけました。

大きなアパートの前の、道路に面した緑地帯です。


August 8, 2014  Bloomfield Ave. Hawaiian Gardens, CA


その後、近くに寄って見てきました。合計5本の Chilean Wine Palm が植わっていました。


一番背が高いの。葉が元気無さそうに見えますが大丈夫かな。
August 16, 2014   Bloomfield Ave. Hawaiian Gardens, CA


こちらは、うんと若い個体が3本。後から植えたのか。


August 16, 2014   Bloomfield Ave. Hawaiian Gardens, CA



これも。

そして、後ろに見えるのはメキシカン ブルー パーム(Brahea armata)か。
August 16, 2014   Bloomfield Ave. Hawaiian Gardens, CA


ここにはその他にも、普通あまり見ないヤシがありましたよ。
まだ自信はないのですが、名前を大胆に予想してみます(はずれたら恥ずかしいけど、まあいいです)。


Pindo Palm(Butia capitata)

August 16, 2014   Bloomfield Ave. Hawaiian Gardens, CA


Cabbage Palm(Sabal palmetto)
これは、メキシカン ファン パーム(Washingtonia robusta)と間違われやすいヤシといわれています。同じように、葉柄の付け根が裂けて幹に残り、斜め格子模様ができていますが、はっきり感じがちがいます。







いったいどんな人がこの庭を造ったのでしょう。無類のヤシ好きだったか。想像するのは楽しいですね。

私は、まだ一年足らずの樹木ウォッチャー(街路樹ウォッチャー改め)ですが、この頃 “木は人を語る” と思うようになりました。何を考えて植えたのか、見る目のある人には手に取るようにわかるでしょうね。あ、私ではありませんよ。


とにかく、我が家から15分以内で3件の Chilean Wine Palm の植栽が見つかりました。ひょっこり目に入った物だけですから、その気になればもっと見つかるでしょう。

カリフォルニアにお住まいなら探してみてはいかが。


以上です。





2014年8月6日

大物の登場です、コースト ライブ オーク(Coast Live Oak)。



その姿をMajestic(荘重な、威厳のある)と表現される、カリフォルニア植物相の王者
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA



ドングリの実る木です。


August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA




子供のころ、ドングリの木は身の回りに普通にある木でした。果実は当然拾うべきものだと思っていたのか、沢山集めて箱にためていました。日本の福岡でのことです。カリフォルニアに来てみると、この地にもドングリの木がありました。茶色い実が落ちている街路樹にも行き当たりました。

私にとって、ドングリは親しみの気持ちを引き起こす存在のようです。この機会に、もっと本気で親しむことにしました。




ドングリの実る木をこちらでは Oak Tree(オーク ツリー)と総称します。カリフォルニアには20種類以上もの地元原産の Oak Tree があるのだそうです。それらの中から主なものだけでも見分けられるようになりたいと思い立ったのですが、なかなか一筋縄では行かないことが分かってきました。


数か月の紆余曲折を経て、今のところ何とか馴染んだのが、このコースト ライブ オーク(Coast Live Oak)です。


August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA


上の真ん中に写っている木の反対側に回って写した写真。葉が繁った枝が地面まで下がっています。
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA






名称


学名 :  Quercus agliforia (クエルクス アグリフォリア)
一般名:  Coast Live Oak (コースト ライブ オーク)
日本語名: なし(たぶん)

Fagaceae(ブナ科)、Quercus(コナラ属)。

Coastは海岸、Live Oak は常緑のオークの意です。その名が指すとおり、カリフォルニアの沿岸部の平地に自生していた常緑のオークです。ただし、この場合の Coast は、本当の海岸のことではありません。縦に長いカリフォルニア州は、東側は山脈や砂漠があり西の海側に平地があります。その海側の平地を指します。


このエントリーに使った写真はすべて、お馴染み El Dorado Park の ネイチャー センター で撮っています。ここは Coast Live Oak が大小様々、無数に群生しています。

見るからに種から育ったと分かる糸のように細い若木はともかく、Majesticな大木は、公園が出来たときに植えられたのか、あるいは昔からの自然のままを残してあるのか私には分かりません。機会があったら聞いてみます。




葉について


葉は特徴的なヒイラギのようなギザギザな縁と、裏から親指で押さえたような凸型をしており、大きさも大体窪みに親指が入るぐらいです。
July 26, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA



特徴的な葉とは言っても、結構変異があります。ほとんど窪んでなくて平らだったり、細長かったり、ギザギザが無かったり。一本の木で色々あったり、木によって違ったり。この変異があるのが、種類の見分けが難しい理由の一つらしいです。

Coast Live Oak の葉の雰囲気に馴染むために、とにかく沢山見てきました。


広い葉
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA





長い葉
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA



ギザギザが無い葉
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA 



平らな葉
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA




幹は、樹皮の表面が滑らかなのも、ひび割れが入ったのもあります。

ヒビ割れは、慣れてくると特徴が見えてきました。縦方向の割れなのですが、真っ直ぐではなくて隣とくっついて、芸術的ともいえる模様ができています。

滑らかな灰色の幹
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA


深いヒビ割れ。コンクリートの壁のよう
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA




同じくヒビ割れ
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA




こんな落書きだらけのもあります
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA



果実

先が尖った形。これから茶色に熟すのでしょう。
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA



りすが一口齧ったのかな。
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA


リスは、人を恐れず近付いて来ますが、噛みつくことがあるので触らないようにと注意されました。
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA



果実は、受粉してから7~8ヶ月で熟するとのこと。普通、この仲間のオーク(Red Oak という亜属)は、熟すのに18ヶ月も要するので、Coast live oak は 普通じゃないのだそうです。リスには嬉しいでしょう。



樹の形

これが、なかなか分からないのです。小さい木以外は、全体が見えません。ただ、根元から割と近いところから幹が分かれて広がっている木が多いです。そして、幹も枝も、なかなか良い感じでねじくれています。

また、ほかの常緑のオークと違って、葉があまり密生していないのが特徴なのだそうです。


August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA





若い木はこんな感じ。上から下までもじゃもじゃです。
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA




更にもっと若い木。
中央の細いのがオーク。こんなのは、それこそ至る所に生えていました。
August 02, 2014  El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA



街路樹では見ないような...

街路樹になっているドングリの木をCoast live oak だと思っていたのが間違いだと気付いたときから、だんだん見分けができるようになってきました。私の近場で街路樹になっているのは、 Holly Oak(Quercus ilex) ではないかと思っています。

また、ネイチャー パークのようなところではなく、芝生や遊具があるような公園でも殆ど見ませんでした。

芝生は大量の水やりを必要とするのですが、一方のCoast Live Oak は、基本的に水やりは不要とのこと。水をやり過ぎると Sudden Oak Death (オーク突然死?)という致命的な病気に罹りやすくなるらしいです。なので、この木は芝生の近くには植えないというのが常識のようです。

でも公園の芝生の真ん中に、どうもこの木らしいのを数件見つけました。よく似た他の種類だったかも知れません。あるいは、必ず病気で枯れるのではないのかも知れません。結論は保留です。

まだわからないことが多いのです。ちゃんと名札の付いた植物園に、実が熟す秋から冬にかけて行ってみるつもりです。






まだまだ書くことが沢山あります。自生種のことになると、気候や地形や植物相、更には歴史などを知らなくてはならないということが分かってきました。そういったことを学びながら、ゆっくりとオークの違いも分かるようになりたいと思っています。

とにかく、この辺でひとまず終わります。