その姿をMajestic(荘重な、威厳のある)と表現される、カリフォルニア植物相の王者。
August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
ドングリの実る木です。
August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
子供のころ、ドングリの木は身の回りに普通にある木でした。果実は当然拾うべきものだと思っていたのか、沢山集めて箱にためていました。日本の福岡でのことです。カリフォルニアに来てみると、この地にもドングリの木がありました。茶色い実が落ちている街路樹にも行き当たりました。
私にとって、ドングリは親しみの気持ちを引き起こす存在のようです。この機会に、もっと本気で親しむことにしました。
ドングリの実る木をこちらでは Oak Tree(オーク ツリー)と総称します。カリフォルニアには20種類以上もの地元原産の Oak Tree があるのだそうです。それらの中から主なものだけでも見分けられるようになりたいと思い立ったのですが、なかなか一筋縄では行かないことが分かってきました。
数か月の紆余曲折を経て、今のところ何とか馴染んだのが、このコースト ライブ オーク(Coast Live Oak)です。
August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
上の真ん中に写っている木の反対側に回って写した写真。葉が繁った枝が地面まで下がっています。
August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
名称
学名 : Quercus agliforia (クエルクス アグリフォリア)
一般名: Coast Live Oak (コースト ライブ オーク)
日本語名: なし(たぶん)
Fagaceae(ブナ科)、Quercus(コナラ属)。
Coastは海岸、Live Oak は常緑のオークの意です。その名が指すとおり、カリフォルニアの沿岸部の平地に自生していた常緑のオークです。ただし、この場合の Coast は、本当の海岸のことではありません。縦に長いカリフォルニア州は、東側は山脈や砂漠があり西の海側に平地があります。その海側の平地を指します。
このエントリーに使った写真はすべて、お馴染み El Dorado Park の ネイチャー センター で撮っています。ここは Coast Live Oak が大小様々、無数に群生しています。
見るからに種から育ったと分かる糸のように細い若木はともかく、Majesticな大木は、公園が出来たときに植えられたのか、あるいは昔からの自然のままを残してあるのか私には分かりません。機会があったら聞いてみます。
葉について
葉は特徴的なヒイラギのようなギザギザな縁と、裏から親指で押さえたような凸型をしており、大きさも大体窪みに親指が入るぐらいです。
July 26, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
特徴的な葉とは言っても、結構変異があります。ほとんど窪んでなくて平らだったり、細長かったり、ギザギザが無かったり。一本の木で色々あったり、木によって違ったり。この変異があるのが、種類の見分けが難しい理由の一つらしいです。
Coast Live Oak の葉の雰囲気に馴染むために、とにかく沢山見てきました。
広い葉 August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
長い葉 August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
ギザギザが無い葉 August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
平らな葉 August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
幹
幹は、樹皮の表面が滑らかなのも、ひび割れが入ったのもあります。
ヒビ割れは、慣れてくると特徴が見えてきました。縦方向の割れなのですが、真っ直ぐではなくて隣とくっついて、芸術的ともいえる模様ができています。
更にもっと若い木。
深いヒビ割れ。コンクリートの壁のよう August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
同じくヒビ割れ August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
こんな落書きだらけのもあります August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
果実
先が尖った形。これから茶色に熟すのでしょう。
August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
りすが一口齧ったのかな。
August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
リスは、人を恐れず近付いて来ますが、噛みつくことがあるので触らないようにと注意されました。
August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
果実は、受粉してから7~8ヶ月で熟するとのこと。普通、この仲間のオーク(Red Oak という亜属)は、熟すのに18ヶ月も要するので、Coast live oak は 普通じゃないのだそうです。リスには嬉しいでしょう。
樹の形
これが、なかなか分からないのです。小さい木以外は、全体が見えません。ただ、根元から割と近いところから幹が分かれて広がっている木が多いです。そして、幹も枝も、なかなか良い感じでねじくれています。
また、ほかの常緑のオークと違って、葉があまり密生していないのが特徴なのだそうです。
August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
若い木はこんな感じ。上から下までもじゃもじゃです。
August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
更にもっと若い木。
中央の細いのがオーク。こんなのは、それこそ至る所に生えていました。
August 02, 2014 El Dorado Park Nature Center, Long Beach CA |
街路樹では見ないような...
街路樹になっているドングリの木をCoast live oak だと思っていたのが間違いだと気付いたときから、だんだん見分けができるようになってきました。私の近場で街路樹になっているのは、 Holly Oak(Quercus ilex) ではないかと思っています。
また、ネイチャー パークのようなところではなく、芝生や遊具があるような公園でも殆ど見ませんでした。
芝生は大量の水やりを必要とするのですが、一方のCoast Live Oak は、基本的に水やりは不要とのこと。水をやり過ぎると Sudden Oak Death (オーク突然死?)という致命的な病気に罹りやすくなるらしいです。なので、この木は芝生の近くには植えないというのが常識のようです。
でも公園の芝生の真ん中に、どうもこの木らしいのを数件見つけました。よく似た他の種類だったかも知れません。あるいは、必ず病気で枯れるのではないのかも知れません。結論は保留です。
まだわからないことが多いのです。ちゃんと名札の付いた植物園に、実が熟す秋から冬にかけて行ってみるつもりです。
まだまだ書くことが沢山あります。自生種のことになると、気候や地形や植物相、更には歴史などを知らなくてはならないということが分かってきました。そういったことを学びながら、ゆっくりとオークの違いも分かるようになりたいと思っています。
とにかく、この辺でひとまず終わります。
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