2014年7月3日

フトモモ科 メラルーカ属の木、カジュプット(Cajeput Tree, Melaleuca quinquenervia)



オーストラリア原産、Myrtaceaeフトモモ科)、Melaleucaメラルーカ属、コバノブラシノキ属)の常緑樹です。

少なくとも私の活動範囲では、極々普通に見られる木。以前紹介したブリズベン ボックス と同じくらいの出現頻度という印象があります。つまり、本当にどこにでもある木。


June 28, 2014, Orange Ave. Cypress, CA


名称

学名: Melaleuca quinquenervia(メラレウカ  クィンクェネルビア)

英語名: Cajeput Treeカジュプット  ツリー)、Melaleuca、Paperbark tree、White Bottlebrush、Punk Tree

日本語名: あるのかどうか不明、もしかしたら“カユプテ” かも



ここではCajeput あるいは、カジュプットと呼ぶことにします。





June 28, 2014, Orange Ave. Cypress, CA
長楕円形の葉。互生。

葉を半分に折ってにおいをかぐと、ほんのりユーカリに似た香りがあります。

実際、葉から精油が採れるらしく、ネットで “メラルーカ” と検索すると、オイルの宣伝がずらずらと出てきます。

繁殖力が旺盛な木で、種から発芽した後短期間で(条件が良いと2~3年で)もう実がなるということで、精油の材料の葉は豊富にあるのだと思います。

原産地のオーストラリアでは先住民が昔から、この木に限らず、フトモモ科の植物から採った精油を医療的用途に使っていたということですから、効果がないということもないでしょう。


花と果実


花も果実もブラシノキによく似ています。花は主に冬に最も沢山付くそうですが、一年中チラホラと咲いているようです。

私が街路樹観察を始めた一月頃は、確かに花ざかりで、果実も沢山ついていたのですが、今は少しだけです。
June 28, 2014, Orange Ave. Cypress, CA


ビン洗いのブラシのような花。枯れて茶色くなったところもあります。
June 28, 2014, Orange Ave. Cypress, CA

果実。枯れた花が残っていて毛のように絡まっています。
June 28, 2014, Orange Ave. Cypress, CA


特に花と果実については、UFEI の Cajeput Tree の記事に、私のよりずっと写りのいい写真がありますので参考にして下さい。


いわゆる、Paper Bark(ペーパー バーク、紙のような樹皮) と呼ばれる幹です。薄いコルク質の樹皮が紙のように重なっていて、いつも破れて剥がれています。


June 28, 2014, Orange Ave. Cypress, CA



June 28, 2014, Orange Ave. Cypress, CA





June 28, 2014, Orange Ave. Cypress, CA




June 28, 2014, Orange Ave. Cypress, CA





全体の姿


Google Earth からの写真です。

ちょっと前にGoogle マップが少し変わって、使い勝手に慣れるまで手間取りました。サテライトビューという言葉を使わなくなったみたい。

2011年の8月の写真です。カジュプット の並木です。花が、冬程ではないにしてもよくついています。
August 2011 Google Street View, Ball Rd. Cypress, CA







ところで、この Cajeput Tree は、どうも見た感じが、活き活きしてなくて、ボロっとしているのが多いんです。

幹の外見のせいもありますが、もしかしたら剪定され過ぎなのかなと思います。生命力のある木なので、雑に扱われても耐えているのでしょうか。

こんな感じ。
June 28, 2014, Orange Ave. Cypress, CA




下の写真は、公園の Cajeput。あまり剪定されずに育っているのでしょうか、ボロボロには見えません。

私が見た中では、一番大きな Cajeputです。種類が近いせいか、ユーカリと感じが似ていると思います。
March 11, 2014, Essex Park, Ball Rd. Cypress, CA





世界の侵略的外来種ワースト100にはいってる!!


ウィキペディアの記事によると
世界の侵略的外来種ワースト100(せかいのしんりゃくてきがいらいしゅワースト100, 100 of the World's Worst Invasive Alien Species)とは、国際自然保護連合(IUCN)の種の保全委員会が定めた、本来の生育・生息地以外に侵入した外来種の中で、特に生態系や人間活動への影響が大きい生物のリストである。以下に指定された生物を列挙する。
と始まり、リストに “カユプテ” の名で Melaleuca quinquenervia が入っています。イエネコ とか ワカメ もリストされています。

アメリカでは、 この木は、フロリダ南部の湿地帯(エバーグレーズと呼ばれる湿原、世界遺産になってる)に大きな被害を与えているそうです



以前記事にした、キャロット ウッド の一枚上手を行く問題樹のようです。同じく 政府(National Park Service)の指名手配書が出ています。







以上、フトモモ科シリーズの二回目終了。




フトモモ科を連続投稿すると書きましたが、都合よく花が咲いている木が少ないので、ちょっと後悔中。





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