2015年1月20日

本場じゃないけど、ブルーガム (Blue Gum, Eucalyptus globulus) です



やっとこさ、エントリー三回分かけてユーカリのはなしを書き終わりました。

ユーカリのはなし その1  
ユーカリのはなし その2 
その主役はブルーガムでしたね。

アメリカに於けるブルーガムの本場はベイエリアなのですが、それはいつか見に行くとして、今回は私の近所で見てきた南カリフォルニアのブルーガムを紹介します。やっと自分の樹木ウォッチングの記事が書けます。

アーバン フォレスト(Urban Forest、都会の森?)の木として手なずけられたブルーガムです。


ハートウェル パークという公園の一角に、まとまって数種類のユーカリが植えてあります。そのうち半分くらいがブルーガム。
April 7, 2014  Heartwell Park, Long Beach, CA


同じ公園。手前の二本は間違いなくブルーガム。
January 19, 2015  Heartwell Park, Long Beach, CA





名前

Myrtaceae(フトモモ科)、Eucalyptus(ユーカリ属)

学名  :Eucalyptus globurus(エウカリプツス グロブルス)
英語名 :Blue Gum(ブルーガム), 
     Tasmanian Blue Gum(タスマニアン ブルーガム)
日本語名: なし(英語名のカタカナ表記、たぶん)




日本語でユーカリと総称される種類は、英語では Eucalyptus(ユーカリプタス) あるいは Eucalypts (ユーカリプツ)と呼ばれているみたいです。

これらは、かつては Eucalyptus属にまとまっていましたが、最新の分類では、それをEucalyptus属、Corymbia属、Angophora属の三つに分けています。種類数としては Eucalyptus属が断然多いです。


またユーカリは、まとめてざっくりとGum Tree と呼ばれることもあります。特につるっとした肌をした仲間はGum(樹脂、樹液をさす)を分泌しているのがよくみられます。

こんなふうに。
これは、レモンユーカリ。
November 27, 2014  Rosecrans Ave. Fullerton CA


これはブルーガム。ちょっとわかりにくいですが茶色い丸いところが数か所見えます。枝を切った傷をGum が塞いでいると思います。
January 19, 2015  Heartwell Park, Long Beach, CA



写真のように、披針形、やや三日月型に曲がっている。葉質は硬い。葉先が下向きに垂れて下がる。常緑樹ということだけど、どれくらい葉が長持ちするのかしら、不明。
April 7, 2014  Heartwell Park, Long Beach CA


ユーカリは、大体どれもよく似た葉っぱをしていて困りものなのですが、ブルーガムは大きめです。そして色は、ブルーと表現される灰緑色。上の写真では、縁がギザギザに欠けていますが、どうしてそうなったかは、不明。


枝ごと落ちていました。ユーカリではよくあることだそう。
November 16, 2014 Cypress Community College, Cypress CA

幼樹や、新しい枝に付く葉は、丸みがあります。が、他のユーカリもそういうのが多いらしい。
January 19, 2015  Heartwell Park, Long Beach, CA



花と果実

これまたユーカリ全般の特徴ですが、花は蓋のついたカプセルに入っています。カプセルは、がくと花びらになるはずの部分が変化して出来ており、花に見えるところは沢山のオシベ(とメシベ一本)です。

花が終わったカプセルの身の方は、やがてもうちょっと大きくなり、中に種を宿します。ペッパー シェイカーと表現される果実は、確かにテーブルに置くコショウの入れ物ように、上に出口があってそこから粉のような種を振りまきます。

ブルーガムのカプセルは、有難いことに、他の種類には無いとても分かりやすい形をしています。



今日行ってみた公園で、写真が撮れる高さに花が一つありました。
下から見ています。カプセルの蓋がまだくっ付いていますよ。

January 19, 2015  Heartwell Park, Long Beach, CA


開きかけで、落ちた花。カプセルからオシベがはみ出していて、外れた蓋がそばにありました。カプセルの直径は1㎝ 以上あると思います(測ってこなかった、残念!)


January 19, 2015  Heartwell Park, Long Beach, CA




果実は、短い柄で一個ずつ枝にくっ付いています。去年の4月の写真です。
April 7, 2014 Heartwell Park, Long Beach  CA



一個ずつというのはブルーガムに独特で、他のユーカリでは私が見たかぎりでは複数個付いていました。例えば 下の写真は Red Gum のカプセルです。5個付いています。
November 22, 2014



今日(もう昨日になった)の収穫を見てください。
番号をふってみました
January 19, 2015  Heartwell Park, Long Beach, CA


1.つぼみ、と言っていいのかな。中にぎっしりオシベが詰まっているはず。

2オシベがすっかり落ちたカプセルの身の方。
  上の蓋は、私が適当に拾って置いたもので、本当の片割れである確率は低い。

3.ひとシーズン前の果実。No.2が育ってこうなる。直径2㎝くらいかな。種はもうほとんど無くて抜け殻。

ところで、2と3の上部についている、蓋のようなものがありますよね。これを指ではずそうとしたのですが、かなり力を入れても取れませんでした。取れるものではないのでしょうね。


ブルーガムの花の蓋や身、果実は、少なくともアメリカでは他と間違いようのない特徴だと思います。私の素人基準では、それが落ちていたらブルーガム確定。木の周りをよく見ると、どんなによく掃除がしてあっても、どんな季節でも必ずいくつか落ちていますよ。



樹皮がリボン状に剥落します。

エルドラド パークの木は、こんなことになっています。本場のブルーガムはこんなのでしょうか。

あまり手入れをしないのがネイチャーセンターなので、剥がれた樹皮が枝に引っかかって残っています。
june 29, 2014 El Dorado Park, Nature Center, Long Beach CA



また、下に落ちた樹皮のリボンは、地面やほかの植物に降り積もっています。
November 15, 2014  El Dorado Park, Nature Center, Long Beach CA



june 29, 2014 El Dorado Park, Nature Center, Long Beach CA




ブルーガムは、メスのイチョウに次いで最も Messy な木と表現する人がいます。Messy(メッシー)とは汚いという意味ですが、ブルーガムの場合は、散らかし方がひどいという意味だと思います。

(メスのイチョウは、銀杏の実が落ちると、つぶれて汚いだけでなく、猫のウンチのような強烈なにおいがしますよね。あれが一番メッシーなのか、へえ。)




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私が近場で見つけたのは、大規模な公園や学校の敷地内です。公園は、かつて牧場や農地だったところもあるので、その場合、当時のブルーガムを一部残してあるのかもしれません。あるいはまた、カリフォルニアの歴史を語る木として植栽に選ばれることもあるのかなと想像します。

街路樹では見たことありませんし、多分無いと思います。メッシーすぎるので。


書けなかったことが沢山ありますが、一応この辺で終わりにします。

ブルーガムでした。







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