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2017年1月29日

雨が良く降ったあと、春を探しに行きました。





1月も終わりに近い24日、やっと晴れたので、近くのエルドラド パークに行ってきました。
いつもは、ヨシの茂みのラインが池の縁なんだけど、こっち側まで水が来てる。

そういえば、本当は隣のネイチャーセンターに始めは行ったんだけど、池の水が増水して歩道にあふれているので閉鎖中でした。

危機的な干ばつが続いた南カリフォルニアでしたが、1月は恵みの雨が、まあ良く降りました。(といっても、干ばつ解消には程遠いのだそうで、常に水が足らないのは宿命ということみたいです。)


ピクニックテーブルとベンチのところまで、水がきてます。


渡り鳥のガン。普段はもっと頭をあげて堂々としているのに、食事に夢中でした。おなかが空いているのか、それとも雨の後は美味しいものがあるのか?


いつも走り回っているリスも、あんまり動かず熱心に何かを探している。



ほんと、いつもとちがう。


いやいや、私はツリーウォッチングにきたんだったわ...



そう、最初に若葉を出しているのはやっぱり、
トネリコの仲間、エバーグリーン アッシュ。もう緑色になっている。


花がぎっしり。



この木はたくさんある。


我が愛するカリフォルニア シカモアもたくさんあるけど、この木はもっとずっと後にならないと葉が出ない。

野ざらしのような白い幹が目立ちます。



倒れている木がありました。たぶん、自生種のヤナギの仲間です。


水辺に好んで生える木は riparian と総称されますが、冬の嵐や、洪水で倒れやすいのがこの仲間です。


ちょっと、知ったかぶりの大きいことを言うと、カリフォルニアの両極端な気候、つまり夏のきびしい乾燥と冬の大雨、それらがもたらす山火事や洪水に適応することによって、この地の独特の植物相が出来上がっているのだそうですよ。



さて、公園を出ました。家に帰る途中で見なくてはいけないもの...


春を告げるナシの花は、咲いているかなっと。
ぱっとしない木だけど、車が止めやすいのでここ。

咲いてる、咲いてる。



もう、随分咲いてる。


このナシの木のことは、またそのうちエントリーにしたいと思ってます。さっさとしないと、あっという間に満開の時期がすぎそう。桜みたいなものですから。


ということで、南カリフォルニアはもう春です。


おまけ。
今日、1月28日の写真。

オレンジ郡の フラトン市(Fullerton)のちょっと小高いところから北の方を見たところ。サン ガブリエル山脈 (San Gabriel Mountains)は、きれいに雪化粧。




2016年11月19日

案外, 南カリフォルニアの秋を象徴する木, フロス シルク ツリー (日本語名トックリキワタ)



夏の終わりから秋。

南カリフォルニアでは、一年で最も厳しい季節かもしれません。

雨の無い長い季節と夏の炎暑を経て、体の中にはカラカラでヘロヘロな疲労感が募っているところに、それに追い打ちをかけるように内陸から乾燥した熱風(サンタアナの風という)が吹き込んで日中の気温が異様に上昇することが繰り返される日々。



そんなサンタアナの風がふく日に、満開のピンクの花をつけた木を車で通り過ぎたらどんな気がしますか。


こんなのとか、

2016年10月25日 Orangethorpe Ave. Fullerton CA




 こんなのとか。
2016年10月20日 Dale Ave. Anaheim CA

私は、“もうやめてよ” って言いたくなります。頭の奥の方に隠れていた夏の疲れが強く意識されるような感じ。


日本育ちなので “満開のピンクの花は春の花”  という刷り込みがあるせいかもしれませんが、さあ春用のホルモンを出せと言われるような気がするのです。そうじゃないでしょう、秋は枯れる季節でしょう。




そんな感じで、この花は長年目をそむけていましたが、ツリーウォッチャーになったからにはそうもいかないので、自分の余計な刷り込みは横に置いて、よく見てくることになりました。




その結果、タイトルに書いたように、この木は、案外南カリフォルニアの秋にぴったりの木かもしれないと思ったのですよ。以下の長いエントリーを読んでいただいて、共感して下さる人がいたらうれしいな。




存在感があるので花が咲くと目立ちますが、そんなにどこにでもある程多くはないのです。本数の少ない並木になっているか、あるいは広い敷地のあるところに1~2本植えてあるという感じです。数ヶ所でツリーウォッチング してきました。


見た中で、植えてある本数が一番多いのが、下の写真の Costco の並木でした。

2016年10月6日 Costco Way,  Cypress CA

ここは我が家の近所の Costco で、裏口の方にこの並木があります。駐車場に面しているので、近付いて回りをウロウロするのに好都合でした。





まず、名前

特徴があり過ぎるので、すぐに調べがつきました。

Malvaceae (アオイ科)、Ceiba(セイバ属)

原産:南アメリカの熱帯/亜熱帯の森
学名:Ceiba Speciosa (セイバ スピチオーザ)
英語名:Floss Silk Tree(フロス シルク ツリー)
日本語名:トックリキワタ





花が満開の木や、葉っぱだけの木、巨大な実が沢山ぶら下がっている木、花も葉も何もない木などいろいろです。
2016年10月6日 Costco Way Cypress CA


この木は、若いうちは花がつかないのだそうです。ということは、ここの並木は全体的に若い木なのかな。ここの Costco は確か10年くらい前にできたのですが、出来た当初かららこの並木があったかどうかは全く記憶にありません。もう少し年月が経ったらもっと華やかな並木になるのかもしれません。



大きな花です。測ってこなかったけど...


落ちていた花。五弁の花びら。




花が咲く場合は、熱帯の樹木によくあることとして花の前に葉をほぼ全て落とすのだそうです。

が、上の写真は葉っぱもついています。なかなか定式どおりにはならない。


薄いピンクの種類も。




開きかけで、先端だけくっ付いている。開いているのよりきれい。






花は、遠くから見ても華やかですが、近くで見てもきれいですよね。

でも、冒頭に書いた理由で、どうしても無駄に華やかなんて思ってしまいますが。
で、幹となると...



幹と全体の姿

とげとげに覆われています。





とげとげ。


もっとすごい、とげとげ。


Orangethorpe Ave. Fullerton CA




とげとげしていないのも。





色は、緑色ないし灰色。




写真ではハッキリしませんが、幹の根元近くが膨らんで、多少ともトックリ型になるのだそうです。


種から育てた木の方が膨らみが顕著に出る、とあちこちに書いてあったので、私の見た街路樹は挿し木育ちかな。



また、若い木ばかりを見ているので想像しにくいのですが、この木は、数十年経つとバオバブのような姿になるのだそうです。バオバブって見たことないけど...(バオバブの写真



下の写真の中の一番背の高い木を見てください。幹はトックリのようにあんまり膨らんではいないものの、全体の姿に何となくバオバブの風格が感じられませんか?(左端のは、フロス シルク ツリーではないです。)





果実


ほとんどの木には実が着いていませんでしたが(花が咲かないから実が無い?)、中にはこんな風に沢山ぶら下がっている木もありました。



花の期間が長いので早く咲いた花から出来た実かな。それとも、前のシーズンの花から育った実かな。下の写真を見ると左下の実は、まだ小さくこれから大きくなりそうなので、今シーズンの花から出来た実だと思います。右側の実はもうちょっと大きくなった今年の実だよね、たぶんね。






下の写真、花が落ちてガクだけ残っているのを見てください。メシベが糸の様に残って垂れているでしょう。



そして、下の写真の実。ちゃんとメシベの名残がくっついています。



ダメ押しの拡大




古い実が落ちてないか探しました。掃除が入るのがデフォルトの都会の森でも必ず何かが落ちている、というのは私が割と早い段階で学んだことです。

地面をよーく見てみると、いくつか見つかりましたよ。
これは踏まれて半つぶれながら、丸ごと。





中は、もう空っぽのもあれば、




綿状のフワフワしたものが残っている実も。種はこの綿にくるまれて風に飛ぶのでしょう。






英語名の Floss Silk(“まゆ綿” のことだって)も、日本語名のトックリキワタ(徳利木綿)も、このフワフワを指しています。徳利は幹の形を指しているのだけど。



ちなみに、このフロス シルク ツリーと同じ属に、カポックという木があります。カポックはパンヤの木ともよばれ、実の中にできる綿様の繊維が詰め物に使われます。シルク フロス ツリーの実の繊維も、カポックよりは質が落ちるもののやはり詰め物になるそうです。(まるで、カポックのことをよく知っているような書き方をしていますが、本当はつい先日まで知らなかったことです)


それでも、我らがシルク フロス ツリーは、その目立つ花や、特徴のある幹や、全体の姿が好まれ、主に街路樹や観賞用の庭木になって、都会の森の構成員として働いています。


ところで、街路樹になったシルク フロス ツリーに実が沢山できて、それが熟して割れて、綿に包まれた種が風に飛ばされたら、そこらじゅうが綿だらけになるのではないかと思いますよね。でも見たことがありません。


想像ですが、たぶん実が熟する前に切り取ってしまうのじゃないかな、確信はないけど。Costco にはよく行くので、作業の現場に出くわすかもですね。




小葉が一点でつながっているので、掌状複葉。



この時期に葉が繁っているということは、花が咲かない若い木だということでしたよね。この葉はいったいいつ落ちるのでしょうね。


葉っぱについては、今のところこれだけ。






案外、南カリフォルニアの秋を象徴する木かも

さて、私にとって フロス シルク ツリーは、“見ただけで疲れるから見たくない木” からスタートして、どうなったのでしょう。

私がこの木の周りで人目を気にしながらうろうろ、立ったりしゃがんだりしたときは、ちょうど、サンタアナの風が吹きすさぶ熱暑の日にあたることが多く、独特のカリフォルニアの秋の厳しさに身をさらすことになったのです。


サンタアナの風が吹く日(サンタアナ コンディションという)は、一年中いつでも発生するものなのですが、なかでも悪名高いのは9月から10月にかけてです。(ウィキペディアの、カリフォルニア州の気候にサンタアナ風の記載があります。)


冒頭に書いたように、雨のない春と夏が過ぎた後の乾ききったところに吹き付ける乾燥した熱風は、本当に何にもいいことが無くてげんなりします。乾燥した強風のせいで空気は塵っぽくスカッと晴れずに重苦しく、とにかく気持ち良くない、悪意に満ちた風です。肩に力を入れ、目をしかめて悪意に抵抗しなくてはなりません。


そんななか、このシルク フロス ツリー のことをじっくり見たり考えたるする機会を得たら、だんだんと、この木はこの土地の秋にぴったりだと思うようになったのですよ。


トゲトゲまみれのどっしりとした幹、その幹の色は妙に生っぽい緑色、あまりにも派手な花、これ見よがしにぶら下がった実など、さりげなさのかけらもない、ふてぶてしい木です。これくらいふてぶてしいと、とサンタアナの熱風の中でも負けてないです。


まさに、カリフォルニアの秋の前半(暑い方)の代表。秋の後半はというと、まあ、カリフォルニアの緩やかな冬ですね。そのことは、またいつか。



秋にふさわしい木とはなんでしょう。もちろん人の主観なので正解があるような問いではないです。人それぞれに答えがちがうでしょう。その人が土地や季節をどう捉えるかによるし、また自分の情緒をどう表現したいかによるでしょう。

例えば、アメリカン スウィート ガム とか イチョウ のような、葉が美しく紅葉する木も色々ありますが、南カリフォルニアのきびしい秋にはかすんでしまいます。


カリフォルニア シカモア は、黄色っぽく枯れた葉がいい感じですが、この木には、四季をとおして健気に耐えている雰囲気があって、秋というよりもっと大きくカリフォルニアそのものを象徴する木のひとつに推したいところです。そういえば、カリフォルニア シカモアと同じく、この地の自生種であるカリフォルニア ファン パームにも健気に耐えている雰囲気があります。



というわけで、このシルク フロス ツリーをカリフォルニアの秋を象徴する木に推薦したいと思います。



あなたも、愛する土地のそれぞれの季節にふさわしい木を考えてみてはいかが?なかなか面白いですよ。




***************

このエントリーを書き始めてから一か月以上たってしまいました。実は、数日前から、日本の母の家に来ています。


外の雨音を聞きながら、“ 案外、南カリフォルニアの秋を象徴する木かも ” の後半部分を書いているところです。本当に日本は豊かな水の国ですね。枯葉さえ水気をたっぷり含んでいるように見えます。だんだんカリフォルニアの秋の実感が遠のいて行きます。





2016年9月4日

カナリー松 (カナリー アイランド パイン) --- 今まで見て見ぬふりをしてごめんなさい



カナリー松の街路樹。住宅街の小さい道路の両側にそびえ立っています。
2016年8月30日 Knoxville Ave, Lakewood CA




今まで、針葉樹の仲間の樹木は、つい見て見ないふりをしてきました。理由は多分、きれいな花のような分かりやすい特徴がないことや、私のようなぼんやりした素人をハッとさせるような心揺さぶるインパクトに欠けるからかなと思います。

とは言え、カリフォルニアの都会の森には、針葉樹の仲間は種類・数共に豊富に植えてあります。特に今回ついに取り上げるカナリー松は、冷静に考えてみれば、その植えてある数の多さが、まさに心揺さぶる驚きの多さなのです、本当に。

車を運転していれば、近くにも遠くにも、とにかく背の高い頭の尖った姿が目に入ります。ヤシの木並みの多さです。いえ、本数はヤシの仲間の方が多いでしょう。でも、空間に占めるボリュームで比較すれば、カナリー松の方が多いかもです。



これは、大きい通りの街路樹。Google のストリートビューをお借りします。道路の左右だけでなく中央分離帯にも植えてあります。
May 2016 Google Street View, Artesia Blvd, Cerritos CA



マツの仲間は、自生種はカリフォルニアといわず北米一帯、高山から低地の海辺まで、たくさん種類があります(カリフォルニアの自生のマツ属の種についてはウィキペディアのこれなどを参考に。)

ところが、人がつくる ”都会の森” となると、今回取り上げる、アフリカのモロッコ沖合の大西洋に浮かぶ小島にのみ自生するカナリー松(Canary Island Pine)が、その数において抜きん出ています。


下の写真は、遊園地 Knott's Berry Farm(ナッツ ベリー ファーム)の駐車場の周りを取り囲むカナリー松。この付近は、特にこの木の密度が高い気がします。
April 2018 Knott's Berry Farm, Buena Park CA



名前と特徴

Pinaceae(マツ科)
Pinus(マツ属)
学名:Pinus canariensis
英語名:Canary Island Pine (カナリー アイランド パイン)
日本語名:カナリー松、カナリア松
原産:カナリー諸島




木の形は、細長い円錐あるいは円柱形。
2014年1月 Cypress Community College, Cypress CA




若くて背の低い木は、もう少し裾の広い、いわゆるクリスマスツリー型。
2016年8月30日 Niagara Ave, Lakewood CA




高さは、15 ~ 25 メートルになるそうです。
寿命は、50 ~ 150 年くらい。
成長は早く、一年に1メートルくらい伸びるそう。




真ん中の幹から伸びる枝は、下がり気味。
2016年8月30日 Valley View St, Buena Park CA



葉は、三枚というか松葉なので三本、がひと束になっています。

日本の代表的な松である赤松とか黒松の松葉は二本(二葉、“によう”)なので、日本では松葉のデザインは二葉になっていますよね。

アメリカでは自生種も含め、なぜか三葉(さんよう)の松が多いのです。もっとも、松葉のデザインなんてこちらでは見たことないですが。


見にくくてすみません。枯葉の落ち葉ですが、確かに三葉でしょう?
2016年8月30日 Knoxville Ave, Lakewood CA



松葉は長いです。どれくらい長いかというと...測ってません、拾ってくればよかった...たぶん20cm かそれ以上あると思います。

そして、ここが特徴なのですが、松葉はピンとしてなくて、ちょっと垂れぎみです。
2016年8月30日 Knoxville Ave, Lakewood CA



この長くて少し垂れている松葉のせいで、全体的にモフモフした感じがすると思うのですが、いかがでしょう。
2016年8月30日 Knoxville Ave, Lakewood CA




幹は赤っぽい茶色で、こんな風に深くひび割れています。それから多くの幹で、根元近くが写真のように白っぽくなっているのです。何故かは、まだ知りません。
2016年8月30日 Niagara Ave, Lakewood CA



花と松かさは、あいにく季節が外れているのでいい写真がありません。

下は、落ちていたちょっと壊れた松かさです。
花のほうは、“Canary Island Pine Flower ” で画像検索で見ていただくといろいろ見られると思います。
2016年8月30日 Sybrandy Ave, Lakewood CA




本当にカナリー松なのか?

今までエントリーにしなかった理由として、冒頭にゴチャコチャ述べていますが、もちろんそれが本当なんですが、もう一つ漠然とした理由がありました。

つまり、こんなにあちこちに沢山ある木が、全部同じ種類なのかということです。

運転していて通り過ぎる松の木を、多分カナリー松だろうとは思いながらも、花とか、葉とか、松ぼっくりとか、ハッキリした見分け方のスタンダードを承知して眺めているわけでもなく、またそういう細かい見分けの指標は傍によってじっくり一本一本確認をしないと使えないのでできるわけもなく、なんとなく決着をつけないまま数年を過ごしていたというところです。

でも、しばらくその問題を熟慮した結果、自分にとってそれらしく見えれば、カナリー松だということに決めました。

理由は、場所が限られた都会の森であるからです。街路樹の情報を載せている各市のサイトには、カナリー松は常に植栽数の多い樹木の上位にランクされていますし、上位ランクの中によく似た形の他の種類があるわけでもありません。

カナリー松の以外の松の仲間では、イタリアン ストーン パインというのがもうちょっと下の方にランクされていますが、これは樹冠が丸い形をしているので、遠目にも間違うことはありません。

下の写真は、うちのベランダから見える、多分イタリアン ストーン パイン。カナリー松と姿が明らかに違うでしょう?
ただこの形の松は、似たのが他にもあるみたいなのでまだ確定できません。松ぼっくりが見つかって、その中に食べられる松の実が入っていたら本物。
2016年9月4日 Orange Ave Cypress CA



そんなこんなで、カナリー松の判定については、街路樹ウォッチャーとしての現実的判断は、“カナリー松のように見えればカナリー松とする” です。もちろん、数年間眺め続けて全体の雰囲気というトータルな指標を手に入れた上でのことです(自慢です)。

この木に愛着を感じるか?


私の勝手な思い込みなのですが、この細長い三角のカナリー松は、どうしても冬とか雪とか曇り空とかのイメージがくっ付いていました。

ここ南カリフォルニアはほとんどいつでも陽射しがきつくて眩しいのですが、そんな陽射しの下を、この松が街路樹として高く壁の様に続いている道を走ると、どうしてもそぐわない気がするのです。

私が冬や雪を連想するようになった元をたぐってみると、たぶん絵本とかテレビとかで育まれた、モミの木とかクリスマスツリーのような細長い三角形の樹木と、雪景色が繋がったイメージが出来上がっているからだと思います。

実際は、松の仲間は “陽樹” とされていて、つまり、鬱蒼と繁った暗い森では芽を出せず、他の木が育たないような荒地や山岳地、山火事の焼け跡など、陽当りだけは豊富な地面で芽を出しで育つのだそうです。また、気候も寒帯から熱帯にまで幅広く分布しているとのこと。


自分の認識の方を大いに変えなくてはならないのでした。実際のところ私は、自生の松が育つようなところに行ったことが無く、自分の経験から来る知識がまるで足りないのです。

松に限らずその他の針葉樹についても、同様に学ぶことがいっぱいありそうです。

そうしているうちに、このカナリー松にもっと愛着を感じるようになるかも知れません。それにしても、明日この木の街路樹の道路を走ったら、少しは違う気持ちがするかしら?


以上、カナリー アイランド パイン、カナリー松でした。






2015年10月31日

ファイカスの仲間 その2. そのモンスターを庭にうえるのですか?  ウィーピング フィグ(ベンジャミン)



前回、前々回の投稿も見てね。




前回に続き二番目のファイカスは、ウィーピング フィグ。日本では鉢植えの観葉植物になってベンジャミンと呼ばれています。

前回のインディアン ローレル フィグ同様、奇跡的に丈夫な木で、巨木になるポテンシャルを秘めています。
でもちょっと見た目は、柔らかな感じです。
2015年8月9日 Cypress, CA

外側の細い枝が枝垂れているせいで、インディアン ローレル フィグのかっちりした丸い樹冠と違って、例えるなら、毛の長い犬がモシャモシャしているのと同じような感じがします。


名前のこと、特徴など


学名:   Ficus benjamina(フィクス ベンジャミナ)
英語名:  Weeping Fig(ウィーピング フィグ), Weeping Chinese Banyan
日本語名: ベンジャミン、シダレガジュマル、ベンジャミンゴム
原産地: インド、マレーシア

学名の benjamina、日本語名のベンジャミン は共に、インドでファイカスの仲間の木をさす言葉 “バンヤン”から来ているらしいです。

英語名のWeeping は枝垂れた枝のことをさしています。



白い幹と明るい緑の樹冠。モシャモシャしている。
2015年8月9日  Rome Ave. Cypress, CA




葉は、特徴のある先が尖った形。インディアン ローレル フィグよりも色が明るく、厚みは薄いです。
2015年8月8日  Artesia Blvd. Cerritos  CA


落ち葉も先が尖っている。
2015年8月8日  Artesia Blvd. Cerritos  CA



庭木になってる!


このページの冒頭の写真は個人の庭で見つけたウィーピング フィグです。住宅街を走ってみると、この木は本当によく庭に植えてあります。



下の写真は、植えたまま伸び放題という感じ。
2015年8月13日  Long Beach  CA


ぐっと刈り込んでいる家もあります。
2015年8月9日  Cypress, CA




この破壊ポテンシャルの大きい木を、なんで庭に植えるのでしょう。まあ、始めは大きくないので、深く考えずに植えてしまったのかもしれません。



昔の思い出話をご紹介します。

子供たちが小さかったときに借りていた家は、左右両方の家の前庭にこのファイカス(ウィーピング フィグ)が植えてありました。

我が家は、きつい西日がキッチンの窓に入るのをさえぎる為に、庭にミカンの木を植えましたが、なかなか大きくならなくて、結局、当初の目的の日除けにはならないままでした。ミカンは採れましたけど。

同じような間取りの家が並んでいる一角だったので、左右の隣人はきっと我が家と同じ日除けの為に、成長が速くて葉がよく繁るファイカスを選んだのでしょう。若い木でしたが屋根の高さくらいにはなっていたと記憶しています。

一方の隣人がある日、前庭で一家総がかりで何かをしていました。きいてみると、木の根が排水管に侵入して流れが悪くなったので、機械を借りてきて排水管の内側から根を切る作業中ということでした。

管から引きずり出した根を見せてもらいましたが、根のかたまりは小さな灌木ぐらいもありました。ファイカスの仕業でした。隣人が言うには、始めは排水管の極々細い隙間から、水を求めて細い根を侵入させるのだそうです。


こんなことが、あちらでもこちらでも起こっているのでしょうか。木を植えるというのはこういう不都合も一緒に受け入れるということなのでしょうか。そうかもしれませんが、ファイカスのようなモンスターを、排水管が近くにあるようなところに植えたらだめですよね。




このウィーピング フィグは、簡単に苗木が買えます。

下の写真は、Home Depot という、ホームセンターのウィーピング フィグのセクションです。大きいのや小さいの、葉の縁が白いのもありました。
2015年10月21日  Home Depo, Cypress CA


Weeping Fig と書いてあります。



12インチは鉢のサイズでしょう。 約32ドル。



小さい庭には植えるなとか、注意書きくらいつけておいた方が良いと思うのですが。

インディアン ローレル フィグは、売っていませんでした。




本当の街路樹にはなっていない


庭の話が長くなりましたが、もっと広い道路に出て車を走らせると、インディアン ローレル フィグもウィーピング フィグも、どちらも普通に良く見かける木です。さらに見慣れてくると、この二つの種類の植えてある場所の違いが見えてきました。

インディアン ローレル フィグは街路樹になっていますが、このウィーピング フィグは、本当の街路樹になっているのは(少なくとも私の活動範囲では)見ません。

“本当の街路樹じゃない” というのは、道路に沿って並んでいるけれども、実は敷地に沿って植えてある木のことです。つまり、ショッピングセンター沿いとか、ビジネスパーク沿いとか、学校沿いとか。なのでその敷地が終わると並木も終わり、長く続きません。インディアン ローレル フィグの並木が長々と続き、圧倒的な効果でその道路の雰囲気を作っているのとは対照的です。



近所にちょうどいい並木があったのでGoogleの写真をお借りします(Googleの決まり事を忘れた訳ではないのですが、もういいじゃん)
あまり大きくないです。若い木なのかな。
2015年 Google Street View  W. Ball Rd. Anaheim



同じところの、私の撮った写真。
2015年10月30日  Ball Rd, Anaheim  CA




さらに、この場所を空から見たところ。
横に走っている道路の下側に並んでいる丸々がウィーピング フィグの並木です。
2015年 Google Street View  W. Ball Rd. Anaheim
ぎっしり並んでいる長方形の家は、モービルホームというタイプの家で、ここは、モービルホームパークと呼ばれる集合住宅です。そこの前だけに植えてあります。




ウィーピング フィグが本当の街路樹になっていないのは、もしかしたら、インディアン ローレル フィグ先輩があまりに大きなトラブルを起こしたせいで、巻き添えで市の街路樹リストから外されたのかもしれません。

街路樹を植えるのは、だいたい市(郡とか州のこともあるかも)だと思います。そして、街路樹じゃない方はそれぞれの敷地の所有者のはずです。そういった敷地内でもトラブルは起こっているとはずですが、なぜこんなにあちこちに植えてあるのかしら。本数が少ないのと、税金で対応する訳ではないので適当にやっているのかな。

(もちろん、インディアン ローレル フィグが “本当じゃない” 街路樹になっていることは、全く普通にあります。)




その他にも、こんなところに、こんな風に


下の写真は、ビジネスパークの中です。建物に沿ってウィーピング フィグが植えてあります。
さらに、後ろの方に塀に沿ってインディアン ローレル フィグが見えます。
2015年8月8日 Artesia Blvd. Cerritos CA

こんなに建物や塀にくっ付けて植えて大丈夫なのと思うのは素人なのかしら。



トピアリーという刈り込んだ形。これは、まあ、かわいいキャンディー型。
2015年9月28日 Knott St. Garden Grove, CA



こちらは、かわいくないトピアリー。
2014 Nov. Google Street View  Orangethorpe Ave. Buena Park CA






以上、本当に、どこにでもあるウィーピング フィグでした。